Singer ME, et al. medRxiv. 2021 Jul 27.
院長ブログ
2021.08.25 | お知らせ
健康講座248 コロナワクチンVSコロナ感染 心筋炎リスクは!?
みなさんどうもこんにちは。
小川糖尿病内科でございます。
若い世代では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のmRNAワクチン接種の副反応として、心筋炎や心膜炎(以下、心筋炎)が起きることが報告されております。しかし、心筋炎の発症リスクは、ワクチン接種よりもCOVID-19罹患での方がはるかに高いことが、新たな研究で示されたようです。
米国の48の大規模医療機関から6000万人以上の電子医療記録を、2020年4月1日から2021年3月31日の間にCOVID-19の診断を受けた男女のデータを抽出しました。対象者を12〜17歳、12〜15歳、16〜19歳の3つの年齢層に分けて解析を行いました。なお、既存の報告データに基づくと、12〜17歳の男女におけるワクチン接種後の100万人当たりの心筋炎の発症者数は、1回目の接種後で男子9.8人、女子1.1人、2回目の接種後で男子66.7人、女子9.1人であるということでございます。
12〜17歳の年齢層の対象者(男子6,846人、女子7,361人)のうち、男子では6人(0.09%)、女子では3人(0.04%)に心筋炎が生じていた。COVID-19発症の100万人当たりの新筋炎発症者数は、男子で450人、女子で213人でありました。このことは、COVID-19罹患後に心筋炎を発症するリスクが、ワクチン接種後に心筋炎を発症するリスクよりも、男子で約5.9倍、女子で約21倍高いことを意味しております。
COVID-19罹患とワクチン接種での心筋炎のリスクを比較して、より安全な選択肢はどちらかなのか明確なヒントとなりそうでございます。
原著