Nagata JM, et al. J Am Coll Cardiol. 2021;77:3229-3231.
院長ブログ
2021.08.24 | お知らせ
健康講座243 10代の肥満の危険性
みなさんどうもこんにちは。
小川糖尿病内科クリニックでございます。
若いうちに肥満の人は、成人後に減量したとしても、健康リスクの高い状態が続くことを示すデータが報告されました。青年期は将来の糖尿病と心臓発作を防ぐための重要な時期でございます。
若いうちからインスリン抵抗性が発生したり動脈硬化の進行が加速し始めた場合に、それらの危険因子の影響を完全に取り除くのは難しいです。
青年期から成人へと成長する過程で生じる健康問題を追跡調査した、米国の全国規模の縦断研究のデータを用いました。10代の青年1万2,300人を24年間追跡し、健康リスクとの関連を検討しました。
10代の時点でBMIの高い群は、低い群に比較して2型糖尿病の発症リスクが約9%高かった。また、30~40代まで追跡すると、心臓発作を起こすリスクが0.8%高く、何らかの健康障害が発生するリスクが2.6%高いことが明らかになったのです。
さらに、10代でBMIのが高かった群は、成人後の健康状態が全般的に悪化する傾向にあり、そのような関連は成人後のBMIにかかわらず認められました。つまり、若いうちに肥満の場合は、成人後に減量してもその影響が続くことが示唆されたのです。10代の子の親御さんは、定期的な運動やバランスの取れた食事をするなど、健康的な行動をとるよう子どもたちに勧めるのが理想的です。
参考にしてください。
原著