院長ブログ
2021.08.24 | お知らせ
健康講座241 若者の新型コロナ重症化リスクは?
みなさんどうもこんにちは。
小川糖尿病内科クリニックでございます。
若年者は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染しても重症化しにくいといわれております。ですが、若者なら誰でも軽症で済むということではなく、どのような若年患者が重症化しやすいのか気なるところです。
年齢層別にCOVID-19重症化リスク因子を検討した研究結果があります。がん、あるいは心疾患などの慢性疾患がある場合、若年者での重症化リスクは3倍以上に上昇するということでございます。これらの疾患の影響は中高年者に比較して若年者でより大きいということです。
この研究では、2020年3月1日~9月30日に、米国で新型コロナウイルス陽性と判定された9,928人のデータが用いられました。COVID-19により入院治療を要した場合、および死亡した場合を重症と定義したところ、474人(4.8%)が該当しました。高齢、男性、非白人、ヒスパニック系、肥満、および基礎疾患の数が、重症化の有意なリスク因子だったのです。
年齢を44歳以下、45~64歳、65歳以上の3群に分類し、性別、人種/民族、BMI、喫煙習慣などで調整後、年齢層ごとに重症化リスク因子を検討しました。その結果、44歳以下と45歳以上とで比較した場合に重症化への影響が最も異なる因子はがんだったようです。
若いがん患者さんは身体への負担が大きい積極的な治療を受けていることが多く、そのことがCOVID-19のような感染症リスクへ大きな影響を与える可能性があるようです。
がんのほかに、虚血性心疾患や神経疾患、血液疾患などの基礎疾患がある44歳以下の患者も、それらがない患者に比べて重症化リスクが3倍以上高かったようです。
本研究からは上記のほか、発達障害、パーソナリティー障害、統合失調症などのメンタルヘルス関連疾患も、COVID-19重症化リスクの高さと有意に関連していることが明らかになりました。
参考にして頂いければ。