院長ブログ

健康講座217 軽度~中等度コロナ治療薬 中和抗体カクテル療法への期待

 みなさんどうもこんにちは。

小川糖尿病内科クリニックでございます。

 SARS-CoV-2に対する2種類のウイルス中和抗体(カシリビマブ+イムデビマブ)を組み合わせ、COVID-19に対する治療および予防を目的として開発したものが出て参りました。本抗体カクテル療法はプラセボと比較して、入院または死亡のリスクを約70%有意に低下させていたのでございます。また、感染していなかった人の症候性感染の発症リスクも81%減少したことが示されました。

 さらに、新規感染の無症候性患者204例について抗体カクテル療法を評価した結果、症候性COVID-19に進行するリスクを全体で31%減少させておりました。

 また、ウイルス中和抗体(カシリビマブ+イムデビマブ)による治療を受けたものの症候性COVID-19感染を発症した人では、平均1週間以内に症状が消失したのに対し、プラセボ群では症状が消失するまでに3週間を要しました。

 ウイルス中和抗体(カシリビマブ+イムデビマブ)による抗体カクテル療法の国内開発は、中外製薬が実施している。厚生労働省は7月19日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬として、「ロナプリーブ点滴静注セット300」「同1332」(一般名:カシリビマブ[遺伝子組換え]/イムデビマブ[遺伝子組換え])の国内における製造販売を承認したようです。COVID-19患者を対象とした海外臨床第III相試験(REGN-COV 2067)の成績と、日本人における安全性・忍容性、薬物動態の評価を目的とした国内第I相臨床試験の成績に基づき、国内開発権および独占的販売権を取得した中外製薬が特例承認の適用を求め申請していたのです。国内におけるCOVID-19治療薬としては、レムデシビル、デキサメタゾン、バリシチニブに続き、4例目となり、軽度~中等度の治療薬では初となります。

 中外製薬によると、国内におけるロナプリーブの供給量は、日本政府との取り決めにより詳細は非開示だが、合意内容に基づき、2021年分を確保しているということでございます。

参考になれば幸いです。