院長ブログ

健康講座300 健康管理とコロナ感染 コロナに負けない食事!?

みなさんどうもこんにちは。


小川糖尿病内科クリニックでございます。


朝の1杯のコーヒーが、科学的にもさまざまな健康上のメリットが存在する可能性がこれまでに指摘されております。そして最近新たに、コーヒーが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)から身を守ってくれる可能性を示すデータが報告されたようです。

 この研究は、米ノースウェスタン大学によって行われました。コーヒーに加えて、野菜にもCOVID-19感染リスクを低下させる可能性があり、それとは反対に加工肉は、リスクを高める可能性があるということでございます。果物や茶、赤肉など、ほかの食品に関しては、COVID-19リスクへの影響は認められなかったようです。

 COVID-19は肺炎などと同じような感染症の一種であり、感染症と戦うには免疫の働きが重要であることはいうまでもありません。そして、食品の中には免疫に影響を与える成分を含むものがあることも知られております。
 この研究に、英国の一般住民の医療関連情報が登録されている「UKバイオバンク」のデータを用い、登録者の2006~2010年の食習慣と2020年3~11月のCOVID-19罹患との関連を検討したようです。調査対象とした食品は、これまでの研究からヒトまたは動物の免疫系に影響を及ぼす可能性が示唆されている食品で、解析対象者は新型コロナウイルスの検査を受けた3万7,988人。この対象者のうち約17%が陽性だったようです。

 解析の結果、COVID-19感染リスクに対する若干のメリットがある可能性のある食品が、いくつか見つかったとのことです。例えば、1日にコーヒーを1杯以上飲む人では、1日1杯未満の人に比べてCOVID-19感染リスクが10%低かったようです。また、生野菜や調理済みの野菜(芋類以外)の摂取量が第3四分位群以上(上位50%)は、第1四分位群(下位25%)に比較し感染リスクが低かったとのことでございます。

 このような食事に関連する因子がCOVID-19のリスクに影響する理由はよくわかってないようです。また、この研究では因果関係は証明できておりません。

 コーヒーの感染リスク抑制作用が示唆されたのに対し、茶にはそうした作用を示すデータが得られなかった。カフェインの含有量の違いによるのではないかとの見方が有力だそうです。また、茶にはフラボノイドが豊富に含まれているのに対し、コーヒーにはクロロゲン酸が豊富に含まれているようです。このようなカフェイン以外の成分の相違が関係している可能性も指摘されております。

 また、野菜を積極的に摂取することはCOVID-19感染リスクの低減に有益であると見られるが、どの野菜がより有益なのかや、野菜に含まれるどの栄養素が効果的なのかは正直なところわかっておりません。

 いずれにしろ、生活習慣を少し変えるだけでも健康に大きな影響があるのは周知の事実でございます。未加工の植物性食品を主体とする食事は、コロナに関わらず、さまざまな疾患から身を守ってくれるのです。このことは、COVID-19のような感染症にも当てはまるようことが示唆されたことになります。

 ほかにも、小さな生活習慣の変容でも健康には大きな影響があります。具体的な行動変容の例として、当たり前といえば当たり前ですが、禁煙や禁酒、加糖飲料を飲むのをやめることなどです。また、食事や栄養の面で生活習慣を変えるのが難しい場合には、睡眠の質の向上やストレスの管理など、ほかの生活習慣に目を向けると良いかもしれません。

原著