Chung H, et al. BMJ. 2021;374:n1943.
院長ブログ
2021.09.03 | お知らせ
健康講座293 高齢者新型コロナワクチン接種後、効果はいつからか!?
みなさんどうもこんにちは。
小川糖尿病内科クリニックでございます。
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のmRNAワクチンは、2回接種により症候性感染と重症化に対する高い有効性が認められることが示されております。ただし、1回接種の場合、とくに高齢者では接種直後は有効性が低かったようです。mRNAワクチンの症候性感染に対する効果は、1回接種では中程度であることから、とくに初回接種後最初の2週間(高齢者ではさらに長い期間)は効果がないこと、マスク着用や物理的距離、社会的な集まりを避けるなどの推奨されている公衆衛生対策を継続して行うべきであることが肝要です。
検査陽性例と検査陰性例(ワクチン未接種者を参照群とする)でワクチン接種状況を比較した模様です。
高い効果が得られるのは初回接種後14日以降、2回目接種後7日以降
症状があり検査を受けた32万4,033例中、5万3,270例(16.4%)が検査陽性で、2万1,272例(6.6%)は少なくとも1回のワクチン接種を受けていたようです。検査陽性例のうち、2,479例(4.7%)が入院(2,035例)または死亡(444例)しました。1回目のワクチン接種後14日以降に確認された症候性感染に対するワクチンの有効性は60%であり、14~20日後は48%であったが、35~41日後には71%に上昇したようです。一方、2回目のワクチン接種後7日以降に確認されたワクチンの有効性は91%であったとのことです。
1回目のワクチン接種後14日以降に確認された入院または死亡に対するワクチンの有効性は70%であり、1回目接種14~20日後は62%であったが、35日以降には91%に上昇したようです。一方、2回目のワクチン接種後7日以降に確認された同ワクチンの有効性は98%でありました。
70歳以上の成人では、1回目接種後の期間が短い間はワクチンの有効性が低く、28日後以降で若年者の14日後以降に相当する有効性が得られました。また、2回接種後は、E484K変異(ガンマ株)に対して高い有効性を示すことが確認されたようです。
原著