院長ブログ

健康講座332 学校での新型コロナウイルス感染症濃厚接触者の比較試験

 みなさんどうもこんにちは。

小川糖尿病内科クリニックでございます。

 学校において、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)接触者に対する毎日の迅速抗原検査は、自己隔離と比較してCOVID-19感染制御において非劣性であり、両アプローチによる生徒および学校職員の症候性SARS-CoV-2感染率は同程度であることが、英国・オックスフォード大学が実施した非盲検クラスター無作為化比較試験で示されたようです。イングランドでは、学校でのCOVID-19接触者は自宅での自己隔離を求められているようです。接触者には毎日検査を実施することで学校への出席を可能にしつつ、自己隔離と同様の感染抑制効果が得られるかを検討したとのことです。

学校単位で、接触者10日間自己隔離群vs.学校で毎日迅速抗原検査群を検討

 研究グループは、イングランドの学校(11~18歳)を、COVID-19接触者を10日間自己隔離する群(対照群)と、SARS-CoV-2抗原迅速検査で陰性の接触者は学校に留まり7日間毎日任意で同検査を行う群(介入群)に、1対1の割合で無作為に割り付けました。

 主要評価項目は、生徒ならびに学校職員における、COVID-19に関連した学校欠席およびPCRで確認された症候性COVID-19です。


 研究に同意し参加を決定した201校が無作為に割り付けられ、試験期間は最長10週間で開始しました。

 PCRで確認された症候性感染は、対照群では感染リスクのある778万2,537日(59.1/10万人/週)において657件、介入群では同837万9,749日(61.8/10万人/週)において740件でありました。

要するにですよ、

PCRで確認された症候性感染ならびにCOVID-19関連欠席の発生頻度に差はなかったようです。学校内の接触者の感染率は低く、学校での曝露後の自宅隔離に代わり、接触者の毎日の検査は一考の余地がありそうです。