院長ブログ

健康講座588 グリセミックインデックス(GI)

みなさんどうもこんにちは。小川糖尿病内科クリニックでございます。

 グリセミックインデックス(GI)は、食品を消化・吸収した後、血糖値がどの程度上昇するかを示す指数です。食品のGI値は、0〜100のスケールで表され、GI値が高い食品は、消化吸収後に急激な血糖値の上昇を引き起こします。

GI値が低い食品は、血糖値の急激な上昇を引き起こさず、消化吸収がゆっくりと行われるため、エネルギーの効率的な利用につながります。一方、GI値が高い食品は、消化吸収が速く、急激な血糖値の上昇を引き起こし、短期的にはエネルギーを補充する効果があるものの、その後の血糖値の急激な下降も引き起こすため、長期的には健康に悪影響を及ぼす可能性があります。

GI値が低い食品は、例えば、野菜、果物、全粒穀物、豆類などです。GI値が高い食品は、例えば、白米、パン、砂糖、菓子類などです。

GI値は、糖質の種類、調理法、食物繊維、脂肪、タンパク質の量など、多くの要因に影響されます。また、食品のGI値を知ることで、血糖値を管理するための食事プランの作成に役立ちます。

以下に、一般的な食品のGI値の例をいくつか示します。ただし、GI値は食品の調理法、種類、原材料などによって異なる場合があるため、参考程度にご覧ください。

低GI値の食品:

  • レンズ豆: 23
  • さつまいも: 44
  • りんご: 38
  • グレープフルーツ: 25
  • キノア: 53
  • 落花生: 14
  • ブロッコリー: 15
  • チェリートマト: 15
  • アーモンド: 0

中程度のGI値の食品:

  • いちご: 41
  • バナナ: 51
  • カレーライス: 55
  • 玄米: 68
  • ひまわりの種: 70
  • グラノーラ: 56
  • キャロットジュース: 43
  • レーズン: 64

高GI値の食品:

  • 白米: 73
  • パン(フレンチトースト): 75
  • ジャガイモ(ボイルド): 78
  • グラニュー糖: 65
  • パイナップル: 59
  • グラハムクラッカー: 74
  • コーンフレーク: 77
  • カスタードプリン: 78

GI値は食品の種類、調理法、品質などによって異なる場合があるため、注意が必要です。特に、GI値が低い食品をバランスよく摂取することが、健康的な食生活を維持するために重要です。

GI値は、食品を消化・吸収した後、血糖値の上昇の速度を示す指標です。GI値が低い食品は、消化吸収がゆっくりと行われるため、血糖値の上昇も緩やかになります。一方、GI値が高い食品は、消化吸収が速く、急激な血糖値の上昇を引き起こします。

食品のGI値が高いと、血糖値が急激に上昇し、それに伴って急激な血糖値の下降も起こります。このような状態が続くと、体内のインスリンの働きに異常が生じ、糖尿病や肥満などの疾患を引き起こすリスクが高まります。

一方、GI値が低い食品は、消化吸収がゆっくりと行われるため、血糖値の上昇も緩やかになります。このため、食後の血糖値の上昇も抑えられ、体内のインスリンの働きに負担をかけることがありません。そのため、GI値が低い食品を適切に摂取することは、健康な体を維持するために重要です。

また、食品のGI値に加えて、糖質の量や質、食品の栄養価、摂取量なども血糖値に影響を与えます。例えば、GI値が低くても、大量の炭水化物を摂取すると血糖値は上昇します。また、GI値が高い食品でも、繊維質やたんぱく質を含む食品と一緒に食べることで、血糖値の上昇を緩やかにすることができます。

したがって、健康的な食事を実践するには、GI値だけに注目するのではなく、バランスの良い食事を心がけ、糖質や栄養素のバランスにも配慮することが重要です。また、個人の健康状態や生活習慣に応じて、適切な食事を選択することが大切です。

以下は、GI値に関する代表的な文献の一部です。

  1. Jenkins, D. J., Wolever, T. M., Taylor, R. H., et al. (1981). Glycemic index of foods: a physiological basis for carbohydrate exchange. The American Journal of Clinical Nutrition, 34(3), 362-366.

  2. Foster-Powell, K., Holt, S. H., & Brand-Miller, J. C. (2002). International table of glycemic index and glycemic load values: 2002. The American Journal of Clinical Nutrition, 76(1), 5-56.

  3. Atkinson, F. S., Foster-Powell, K., & Brand-Miller, J. C. (2008). International tables of glycemic index and glycemic load values: 2008. Diabetes care, 31(12), 2281-2283.

  4. Salmerón, J., Manson, J. E., Stampfer, M. J., et al. (1997). Dietary fiber, glycemic load, and risk of non-insulin-dependent diabetes mellitus in women. The Journal of the American Medical Association, 277(6), 472-477.

  5. Brand-Miller, J. C., Holt, S. H., Pawlak, D. B., & McMillan, J. (2002). Glycemic index and obesity. The American Journal of Clinical Nutrition, 76(1), 281S-285S.

これらの文献は、GI値の理論的な背景や、GI値を用いた食事療法の実践的な方法、GI値と糖尿病、肥満、心血管疾患などの関連について詳しく解説されています。