院長ブログ

健康講座615 スロースクワット

 みなさんどうもこんにちは。小川糖尿病内科クリニックでございます。今回は、スロースクワットについて科学的根拠に基づいて、詳しく解説いたします。

【スロースクワットとは?】 スロースクワットは、膝を曲げながらゆっくりと腰を下ろしていくスクワットのことです。膝の痛みを抱えている人にも取り入れやすい、低負荷で効果的なエクササイズとして注目されています。

【スロースクワットの効果】 スロースクワットは、以下のような効果が期待できます。

  1. 食後高血糖を抑制する効果 スロースクワットを食事の前後30分以内に行うことで、食後の血糖値が上昇するのを抑制する効果があります。特に、2セット行うことでより効果が高まるとされています。

  2. 脂肪燃焼効果 スロースクワットを行うことで、筋肉量が増加し、基礎代謝が上がるため、脂肪燃焼効果が期待できます。

  3. 筋力アップ効果 スロースクワットを行うことで、大腿四頭筋やハムストリングス、臀筋などの下半身の筋肉を鍛えることができます。これにより、筋肉量が増加し、体脂肪率を下げ、健康的な体型になることができます。

  4. 骨密度の向上 スロースクワットを行うことで、脚部の骨密度を向上させることができます。骨密度が低下すると、骨粗鬆症や骨折のリスクが高まりますが、スロースクワットを取り入れることで予防ができます。

【スロースクワットの方法】 スロースクワットの方法は、以下の通りです。

  1. 両足を肩幅に開き、腕を前に伸ばし、体をまっすぐにします。
  2. ゆっくりと腰を下ろしていきます。膝がつま先よりも前に出ないように注意しましょう。
  3. 膝が90度に曲がったところで、5秒間キープします。
  4. ゆっくりと起き上がります。
  5. この動作を、10回×2セット、1セットあたり5分間行います。初めての方は、イスやテーブルに手をついて行うとより安定します。

    【スロースクワットとジョギングの比較】 スロースクワットとジョギングの運動量を比較すると、同じ時間や距離で行った場合、ジョギングの方が消費カロリーが多く、有酸素運動としての効果が高いと言われています。

    しかし、スロースクワットには以下のようなメリットがあります。

    1. 関節への負担が少ない ジョギングは、足にかかる負担が大きく、膝や腰に負担がかかることがあります。一方、スロースクワットは、軽い負荷であるため、関節にかかる負担が少なく、安全に取り入れることができます。

    2. 筋力アップ効果が高い スロースクワットは、筋肉を鍛える効果が高いため、筋力アップに効果的です。また、筋力がアップすることで、基礎代謝が上がり、脂肪燃焼効果も期待できます。

    3. 時間や場所に制限がない ジョギングは、時間や場所に制限がありますが、スロースクワットは、室内でもできるため、気軽に取り入れることができます。

    【まとめ】 スロースクワットは、低負荷で効果的なエクササイズであり、食後高血糖を抑制する効果や筋力アップ効果、骨密度の向上など、様々なメリットがあります。ジョギングと比較して、関節への負担が少なく、筋力アップ効果が高いため、膝の痛みを抱えている方や、運動不足の方にもおすすめです。毎日続けることで、健康的な体型や、糖尿病の予防・改善にもつながりますので、ぜひ取り入れてみてください。

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