院長ブログ
2023.06.07 | お知らせ
健康講座688 ”甘い毒:砂糖水が健康に及ぼす影響とそれを避けるための策”
こんにちは、皆さん。小川糖尿病内科クリニックからお送りしております。今日のトピックは何かと話題の「砂糖水」、そしてそれが私たちの体に及ぼす影響について詳しく解説していきたいと思います。
まず、「砂糖水」がもたらす健康リスクについて説明します。
① 急速な血糖値上昇:砂糖水を摂取すると、体内に急速にブドウ糖が供給されます。その結果、血糖値が急激に上昇します。血糖値が急激に上昇すると、一時的にエネルギーが得られますが、その後の急激な低下につながり、エネルギーロス、倦怠感、無気力感、集中力の低下などを引き起こします。
② 多量のインスリン分泌:血糖値が急激に上昇すると、体はインスリンというホルモンを大量に分泌します。インスリンは、血糖値を下げる役割がありますが、大量に分泌されると、体内の細胞がインスリンに耐性を持つようになります。これがインスリン抵抗性と呼ばれる状態で、2型糖尿病の一因となります。
③ インスリンがブドウ糖を中性脂肪に変換:血糖値が高い状態が続くと、インスリンは血糖を下げるために余剰のブドウ糖を中性脂肪に変換します。これは体脂肪として蓄積され、肥満を引き起こす可能性があります。
さらに果糖が肝細胞を脂肪化する:砂糖は、グルコースと果糖の二つのシンプルな糖で構成されています。果糖は肝臓で処理され、過剰に摂取すると肝細胞が脂肪化する可能性があります。これは非アルコール性脂肪性肝病(NAFLD)という病状につながり、長期的には肝硬変や肝臓癌のリスクを高める可能性があります。
以上の科学的な根拠から、砂糖水の摂取を控えることが健康に良い影響を与えることは明らかです。逆をいえば、砂糖水を一滴も飲まない習慣を身につけることで、上記のリスクを大幅に軽減することが可能です。
砂糖の摂取を減らすためには、水分補給を考え直すことが一つの解決策となります。例えば、水や無糖のお茶などの代替品を選ぶことです。さらに、食事に含まれる砂糖の量にも注意し、砂糖を多く含む加工食品を避けることも重要です。
以上が砂糖水を避けるための科学的根拠になります。私たちは皆さんが健康な生活を送れるよう、日々最新の医療情報を提供して参ります。それでは、次回もお楽しみに。