院長ブログ

健康講座261 デュアルGIP/GLP-1受容体作動薬への期待

みなさんどうもこんにちは。

小川糖尿病内科CLでございます。

 デュアルGIP/GLP-1受容体作動薬として第3のインクレチン関連薬として期待が持たれております。現在、tirzepatideとして承認が少しずつ進んでいるとのことでございます。tirzepatideの2型糖尿病に対する臨床開発プログラムは10試験があり、本論文はセマグルチドとの比較もあります。

 tirzepatide 5mg、10mg、15mgの3用量に対してセマグルチドは2型糖尿病に対する最大用量である1mgが用いられたそうです。HbA1c低下量は、セマグルチドに対する優越性が示されました。体重減少量も、HbA1cと同様にセマグルチドに対する優越性が示されたのでございます。

 セマグルチドは、現在2型糖尿病患者に対して使用できるインクレチン関連薬の中でHbA1c低下作用、体重減少作用が最も強いです。したがってtirzepatideが登場すれば最も強力なインクレチン関連薬になることが期待できます。

 本薬剤が米国で血糖降下薬として認可されるのは2024年以降になるとの見込みです。わが国での先行発売を目的としている試験も進んでおりますが、おそらくしばらくは世にはでないでしょう。

 参考にしてください。

参考
SURPASS ProgramにはSURPASS-1~6、SURPASS-AP-Comb、SURPASS-CVOT、SURPASS-J-Mono、SURPASS-J-Comb