院長ブログ

健康講座260 減量後リバンド対策!

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 一生懸命努力して減量に成功しても、しばらくすると体重が元に戻ってしまうことがありませんでしょうか?このリバウンドを防ぐには、座位時間の減少が重要なポイントになるとする論文が発表されたのでございます。減量成功後に体重を維持できている人の生活パターンを詳しく検討した結果、肥満者に比べて1日の座位時間が3時間短かったということです。米カリフォルニア州立工科大学の研究によるものです。

 米国で行われている体重管理支援サービスを利用して20ポンド(約9.1kg)以上の減量に成功し、その後1年以上その体重を維持している18歳以上の人4,953人を「減量維持群」として設定。一方、BMI30以上で過去5年間の体重変化が±5ポンド(約2.3kg)以内の人650人を募集し、これを「対照群」としました。なお、減量維持群の「減量幅が20ポンド以上」という基準は、減量プログラム参加者の元の一般的な体重である200ポンドの10%に当たり、臨床的に意義のある減量幅に相当するようです。

 研究参加者全員が、生活パターンに関するオンラインによるアンケートに回答しました。回答を解析した結果、減量維持群の平日の座位時間が10.9時間であるのに対し、対照群は13.9時間であり、休日は同順に9.7時間、12.6時間と、平日・休日ともに減量維持群の座位時間が約3時間短かったようです。また、仕事以外でのパソコン使用やテレビゲームのプレイ時間は、平日が減量維持群1.4時間、対照群2.3時間、休日が同順に1.5時間、2.5時間であり、約1時間の差が存在しました。身体活動による消費エネルギー量は、減量維持群が1,835kcal/週、対照群は785kcal/週と推計されました。

 これらの評価項目の全てについて、群間に有意差が存在しました。

 この結果から、座位時間を減らし、体を動かしている時間を増やすことの両方が重要だと思われます。もちろん、60分間ウォーキングすることは良いことですが、残りの時間を座って過ごすのではなく、座位を頻繁に中断してほかの作業を行うことが大事でございます。

 短時間の激しいトレーニングを好む人もいれば、時間をかけて軽い負荷の運動を行う方が好きな人もいるでしょう。それらはどちらも価値のある運動であり、自分の体の状態や生活スタイルに合ったものであれば、いずれでも構わないようです。座位時間を減らすには、テレビゲームではなくスポーツをすることなど、体を動かす習慣づくりから始めて頂けると幸いです。

原著