院長ブログ

健康講座256 ビクトーザ(リラグルチド)と体重維持

こんにちは。

小川糖尿病内科でございます。

New England Journal of Medicine誌に掲載された1件の直接比較ランダム化試験によると、低カロリー食により相当量の体重を減少させた肥満者において、減少した体重の維持に関して運動と薬物療法の併用により有意に改善され、またその効果はいずれか単独による治療戦略よりも大きかったとのことでございます。

中強度〜高強度の運動とliraglutide療法を併用した群は、通常の活動に加えてプラセボ投与を受けた群よりも1年時の体重が9.5kg減少していたことが、本試験の結果から明らかになったようです。

運動+liraglutideによる1年時の体重および体脂肪の減少はいずれも、liraglutide単独または運動単独での治療戦略による減少の約2倍であった。

本結果は、中強度〜高強度の運動を実施できないか、するつもりがない人々には適用できない可能性があるが、それでもやはり、本試験における介入は、運動量が非常に少ない肥満者からなる本集団において実行可能であったとのことです。


これは、肥満に悩んでいる人において、薬物療法の有無にかかわらず、より高強度の運動レジメンが有益であり、かつ受け入れられるものであるという期待を与えてくれるものである。

「本試験の開始時に、“肥満者にそのような量の運動を長期間実施させることは不可能だ”と言われた。しかし実際のところ、参加者は本試験の運動に関し非常に満足していた」ようでうす。

本試験に組み入れられた215例のうち、195例は体重減少が5%以上であり、低カロリー食期間中の体重減少量は平均13.1kgであったが、これは平均12%の体重減少に相当します。

運動の平均頻度は、運動+liraglutide群で週2.4回、運動単独群で週2.5回であった。運動の約3分の1が集団セッションにおいて実施され、群間の相対的な運動強度や個別の運動レジメンに差はなかったのです。

報告によると、運動+liraglutide群は体重を減少させ続け、1年時の体重変化量は平均-3.4kgであり体重はさらに減少していた。対照的にプラセボ群では体重は平均6.1kg増加し、治療差は-9.5kgでありました(95%信頼区間[CI]:-13.1〜-5.9、p<0.001)。

プラセボ群と比較した、運動+liraglutide群における52週時の体脂肪率の変化量は-3.9パーセントポイントであり、この値は、運動単独群、liraglutide単独群における低下量の約2倍であり、運動とliraglutideの併用によって除脂肪量が維持されたことになります。

HbA1c値の低下は、一般に糖尿病リスクの低下につながると考えられているが、報告によると、liraglutide単独群および運動+liraglutide群の両方でHbA1c値の低下が認められました。

やはり、運動+liraglutideは超強力な体重減少の維持に繋がりそうでございます。

 参考にしてください。









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https://www.medscape.com/viewarticle/950718