Renehan AG et al. Body-mass index and incidence of cancer: a systematic review and meta-analysis of prospective observational studies. Lancet. 2008 Feb 16; 371(9612): 569-78.
院長ブログ
2021.08.26 | お知らせ
健康講座252 メタボリックシンドロームとがんの関連
こんにちは。
小川糖尿病内科クリニックでございます。
体重超過(過体重:BMI 25~29.9kg/m2および肥満:BMI≧30 kg/m2)は、食道癌、膵癌、結腸・直腸癌、閉経後乳癌などの一般的に見られる癌の発症と関連することが示されております。今回、英国Manchester大学が行った28万例を超える癌患者を対象としたメタ解析により、比較的まれな癌もBMIの増加と関連しており、性差や人種差が見られる癌も存在することが明らかとなりました。
体重と癌の関連を検討した28万2,137例のデータを解析
研究グループは、2007年11月までに文献から体重と15部位20種の癌の関連についてプロスペクティブに検討した研究を系統的に検索した。141論文の221のデータセットが抽出され、解析対象は28万2,137例(男性:15万4,333例、女性:12万7,804例)、フォローアップは1億3,300万人年以上に達した。部位別の平均フォローアップ期間は、8.4年(乳癌)~14.4年(多発性骨髄腫)であった。
生物学的メカニズムの研究に有益な情報を提供
BMIの5 kg/m2増加と強い相関を示した腫瘍として、男性では食道癌、甲状腺癌、結腸癌、腎癌が、女性では子宮内膜癌、胆嚢癌、食道癌、腎癌が確認された。BMIの増加は一般的な癌だけでなく、比較的まれな癌とも相関し、いくつかの癌ではBMI増加との関連に性差や人種差が認められました。これらの疫学的観察データは、肥満が発癌と関連する有益な情報を提供するものでございます。
参考になさってください。
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