院長ブログ

健康講座652 ”認知症予防の秘訣: 日常生活の中に答えがあった!”

みなさんどうもこんにちは。小川糖尿病内科クリニックでございます。

 認知症という言葉を聞くと、多くの人が少し身構えてしまうかもしれません。しかし、最新の研究によれば、認知症のリスクを減らすための秘訣は、私たちの日常生活の中にすでに存在しているようです。

まず、一番の秘訣は「激しい運動」です。運動は、脳を活性化させる神経栄養因子の放出を促進し、脳血流を改善し、脳の酸化ダメージを防ぐ抗酸化作用を持つことが示されています。つまり、運動は脳の健康を維持し、認知症のリスクを減らす強力なツールなのです。

次に、意外なことに「家事」も認知症予防に役立つとされています。家事は身体を動かす良い機会であり、運動と同様の効果をもたらす可能性があります。つまり、掃除や洗濯などの日常的な家事も、認知症予防に一役買っているのです。

そして、最後に「友人や家族の訪問」が挙げられます。社会的な接触は、脳を活性化させ、認知機能を刺激します。孤独は脳にとって良くない影響を及ぼす可能性がありますので、友人や家族との交流は大切なのです。

一方、仕事や散歩、電子機器の使用、知的活動は認知症の発症との関連性は見られませんでした。これは、これらの活動が認知症に影響を与えないということではなく、単にこの研究で有意な関連性が見られなかったということです。

この研究の結果は、認知症の感受性が高い人々にとっても有益で、これらの活動パターンが認知症の一次予防に対する有効な介入戦略となる可能性を示しています。

しかし、この研究にはいくつかの制約があります。逆因果関係の可能性、参加者の代表性、自己報告に基づくデータの誤報告や偏りの可能性などが挙げられます。

参考文献は以下の通りです:

“Physical and mental activity and risk of dementia: A prospective UK Biobank cohort study using latent profile analysis” – Neurology, 2023.

この研究は、UK Biobankの前向きコホートに基づいて行われ、平均10年間の追跡調査を行いました。認知症の発症を減少させる生活習慣として、激しい運動、家事、友人や家族の訪問が有意に関連していることが示されました。

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