院長ブログ

健康講座250 喫煙と前立腺がん

 みなさんどうもこんにちは。

小川糖尿病内科クリニックでございます。

 前立腺がんで現喫煙者は、喫煙未経験者に比べ、再発率と死亡率(全死亡率、心血管疾患死亡率、前立腺がんによる死亡率)がいずれも増大することが明らかにされました。現喫煙者は喫煙未経験者より、前立腺がんによる死亡率は約1.6倍、心血管疾患死亡率や全死亡率は、いずれも2倍超に増大するという。米国・ハーバード大学公衆衛生校が、全米の男性医療従事者を対象とした前向きコホート疫学研究「Health Professionals Follow-Up Study(HPFS)」から、前立腺がんの診断を受けた5,366人超について分析を行い明らかにしたものでした。

臨床ステージT1~T3の現喫煙者、前立腺がんによる死亡は喫煙未経験者の1.8倍
 HPFSは、1986年までに郵送質問票に回答した男性医療従事者5万1,529人を対象とする前向きコホート試験。その中から1986~2006年に前立腺がんの診断を受けた5,366人について前向き観察研究を行った。

 主要評価項目は、全死亡、前立腺がん特異的死亡、心血管疾患死亡と生化学的再発のハザード比とした。

禁煙後10年経過で前立腺がん死亡リスクは未経験者と同等に
現喫煙者は、喫煙未経験者に比べ、生化学的再発リスクも大きく、ハザード比は1.61(同:1.16~2.22)、全死亡のハザード比は2.28(同:1.87~2.80)、心血管疾患死は2.13(同:1.39~3.26)だった。

 また、現喫煙者との比較で、禁煙をしてから10年以上経過している人の前立腺がん死亡に関するハザード比は0.60(同:0.42~0.87)、喫煙してから10年未満かつ年間20パック未満喫煙者の同ハザード比は0.64(同:0.28~1.45)で、喫煙未経験者の同ハザード比0.61(同:0.42~0.88)と同等だったようです。

なんにせよ、禁煙・禁煙・禁煙ですね。
原著論文