Ishikawa-Takata K, et al. Geriatr Gerontol Int. 2018 ;18:723-731.
院長ブログ
2021.08.24 | お知らせ
健康講座245 高齢者×筋肉×食事
みなさまどうもこんにちは。
小川糖尿病内科クリニックでございます。
現在わが国では、高齢者の寝たきり防止と健康寿命をいかに延伸させるかが課題となっております。いわゆるフレイルやサルコペニアの予防と筋力の維持には毎日の食事が大切な要素となるのでございます。
高齢者の筋肉の維持と増加に必要なたんぱく質の量
「国民健康・栄養調査(2012年版)」では、筋肉の維持と増加のためには成人1日あたり体重1kgにつき1.0~1.2gのたんぱく質が必要であり、健康な高齢者でも同じ量が、慢性疾患のある高齢者では1.2~1.5gが必要であるとされております。また、サルコぺニア診療ガイドライン では、1日1kgあたり1.0g以上のたんぱく質摂取が強く推奨され、同様にフレイル診療ガイドライン では、栄養状態はフレイルと関係し、微量栄養や血清ビタミンD低値はリスクとなると記載されています。実際摂取量を計測した研究では、高齢になればなるほどたんぱく質必要量の1.2gに満たない割合が男女ともに増え、また、いずれの年代でも女性では朝・昼食では基準値以下であることが判明したとのことでございます。
サルコペニアに着目したアミノ酸の摂取推奨量では、たんぱく質25~30g摂取時にロイシンが2.5~2.8g含まれると、たんぱく質同化の閾値が高くなるという報告があり、必須アミノ酸混合物を食事に追加するとよいようです。その一方で、日本人のロイシン摂取量の研究では、男女ともに全年代の半数近くが1日必要量が摂取できていなかったようです。
高齢者は筋肉をつけるため、たんぱく質の摂取量をもう少し増やす必要があり、各食事での摂取量や質も考慮する必要がありそうです。
サルコペニアに着目したアミノ酸の摂取推奨量では、たんぱく質25~30g摂取時にロイシンが2.5~2.8g含まれると、たんぱく質同化の閾値が高くなるという報告があり、必須アミノ酸混合物を食事に追加するとよいようです。その一方で、日本人のロイシン摂取量の研究では、男女ともに全年代の半数近くが1日必要量が摂取できていなかったようです。
高齢者は筋肉をつけるため、たんぱく質の摂取量をもう少し増やす必要があり、各食事での摂取量や質も考慮する必要がありそうです。
高齢者はレジスタンス運動後の必須アミノ酸で筋肉を増やそう
加齢に伴い骨格筋量は減少し、60代からその減少は加速するのです。減少を抑えるためには、筋肉量の維持・増大が必要であり、食事で良質なたんぱく質を摂取する必要があります。その際、たんぱく質を筋肉に合成するスイッチとして、アミノ酸が不可欠となるのです。このアミノ酸の中でもロイシンは重要であり、空腹時でも筋肉合成をオンにする作用があることが報告されています。また、ロイシン濃度は筋肉の合成量に比例して影響するとされているが、高齢者になるとロイシンに抵抗性が発生するため、筋肉の合成がうまくいかず徐々に筋肉が減少するということでございます。そのため高齢者では、ロイシンをはじめとするアミノ酸摂取を強化し、食事から摂る必要があると思われます。
筋肉の合成につき、たとえば筋トレなどのレジスタンス運動後は、筋たんぱく質の合成が急激に刺激されることがわかっており、とくに単回のレジスタンス運動でも、運動後その合成効果は2日間持続することが報告されています。
高齢者は、スクワットなどの手軽なレジスタンス運動後に必須アミノ酸を摂取することで、筋肉の合成を促進させ、フレイルやサルコペニアの予防に役立てることができると期待できます。
筋肉の合成につき、たとえば筋トレなどのレジスタンス運動後は、筋たんぱく質の合成が急激に刺激されることがわかっており、とくに単回のレジスタンス運動でも、運動後その合成効果は2日間持続することが報告されています。
高齢者は、スクワットなどの手軽なレジスタンス運動後に必須アミノ酸を摂取することで、筋肉の合成を促進させ、フレイルやサルコペニアの予防に役立てることができると期待できます。
高齢者はたんぱく質が少ない傾向にあります
高齢者では肉魚が少ない傾向にあり栄養が偏りがちで、朝食が簡単すぎ、少食すぎるのが問題になっているようです。できれば毎食5g程度のたんぱく質が必要で、肉や魚だけでなく、乳製品や大豆製品からもたんぱく質は摂れるので、飽きない工夫など、日ごろから高齢者が筋肉をつける食事が大事でございます。
よい食生活の合言葉である
よい食生活の合言葉である
さ(魚)あ(油)に(肉)ぎ(牛乳)や(野菜)か(海藻)い(イモ)た(卵)だ(大豆)く(果物)
を積極的に摂取することをお勧めします。
筋肉量が多い人ほど病気の予後が良く、良質なたんぱく質の摂取を意識し筋肉を維持して頂ければ幸いです。食事が体を作り、今のライフスタイルに合わせて、食事に気をかけていきましょう。
参考