院長ブログ

健康講座306 歩行と睡眠障害

みなさんどうもこんにちは。


小川糖尿病内科クリニックでございます。


 現在、加齢に伴う運動不足と睡眠障害は大きな問題であります。身体活動が睡眠の質に関連しているというエビデンスが出ていますが、歩数と睡眠の関連についてはどうでしょうか。大分大学医学部神経内科は、65歳以上の855例を対象に、毎日の歩数と睡眠の関連を調査したようです。

 855例が登録され、参加者は期間中3ヵ月ごとに平均7~8日のあいだ腕時計型センサーによって歩数を測定し、重回帰分析で1日の歩数と睡眠(総睡眠時間、睡眠効率、中途覚醒時間[WASO]、中途覚醒回数、昼寝時間)との関連を調べました。

 参加者の年齢中央値は73歳(69~78歳)、男性317例(37.1%)、女性538例(62.9%)。

 主な結果は以下のとおりでございました。

・毎日の歩数は、睡眠時間と相関はなかった。
・毎日の歩数は、睡眠効率と正の相関を示した。
・毎日の歩数は、WASO、中途覚醒回数、昼寝時間と逆相関を示した。

 これらの結果を踏まえ、ウォーキングは高齢者にも安全性の高い運動であり、高齢者の睡眠障害の予防として適切なアプローチといえそうです。

眠剤に安易に頼る前に、まずは歩いてみてはいかがでしょうか。

原著