院長ブログ
2021.09.05 | お知らせ
健康講座298 新型コロナウイルス感染後の免疫力はワクチン以上か!?
みなさんどうもこんにちは。
小川糖尿病内科クリニックでございます。
新型コロナウイルス感染(COVID-19)を経た人のデルタ変異株の感染しやすさは、感染なしのPfizerワクチンBNT162b2接種2回完了者に比べてずっと低く、発症も入院もより免れていることがイスラエルの試験で示されました。
試験ではイスラエル人およそ250万人のデータベースが解析され、デルタ変異株感染率は新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染なしでワクチン接種2回目を済ませた人の方が、感染を経験したワクチン非接種の人に比べて6~13倍高いという結果が得られました。
また、感染経験者は感染なしのワクチン接種完了者に比べてCOVID-19発症率はわずか27分の1、COVID-19関連入院率は8分の1で済んでいました。
試験の結果は人間の生来の免疫系の優秀さを物語るものですが、Pfizerワクチンや他のCOVID-19ワクチンの重症化や死亡を防ぐ効果は健在です。ワクチンを接種していない人がワクチン接種の代わりにあえて感染するなどは、もちろん論外でございます。
被験者のCOVID-19関連死亡は一例もなく、今回の試験でも幸いにしてワクチンは重病を防ぐ効果を依然として維持していることが伺えました。
感染経験とワクチン接種が組み合わさればデルタ変異株を抑え込む期待ができます。感染経験があってワクチンを1回接種した人の再感染率は、感染経験のみでワクチン非接種の人に比べておよそ半分で済んでいたのです。
その結果は、感染経験がある人へのmRNAワクチン2回接種の必要性の是非がわかってくるかもしれません。SARS-CoV-2感染経験があればワクチン接種推奨の対象外ということにはいまのところなってはおらず、米国は感染を経験した人も決まりの回数のワクチンを接種することを推奨しています。日本でも感染経験がある人に、原則、決まりの回数が接種されています。
しかし今回の試験結果によると感染を経験した人へのmRNAワクチンの接種はひとまずは1回で十分かもしれません。ドイツ、フランス、イタリア、イスラエルなどでは感染を経験した人へのワクチン接種はひとまず1回きりとなっているようです。
感染経験者がワクチンを1回接種すれば現在出回るどのワクチンもそれだけでは到達し得ない防御レベルを身につけうると期待できそうです。
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