院長ブログ

健康講座350 大自然のちから

みなさんどうもこんにちは。


小川糖尿病内科クリニックでございます。


 大自然の中で1日を過ごすと心が洗われたように感じる私ですが、自然の音には実際に健康増進効果があるようでございます。鳥のさえずりや波の音は、いら立ちやストレスといったネガティブな感情を抑える一方で、ポジティブな感情を高め、健康を増進させる効果があることが、カールトン大学による、米国の国立公園で実施された研究で明らかになったのです。

 この研究ではまず、システマティックレビューにより自然の音が健康に与える影響について検討した36件の研究論文を抽出し、そのうちの18件についてメタ解析を実施しました。なお、36件の研究論文のうちの22件(61%)のエビデンスは、実験室または病院で自然の音を流したときのデータに基づくものでした。メタ解析の結果、自然の音を聞くことで、ストレスやいら立ち、痛みが軽減する一方で、健康やポジティブな感情、認知機能などは増進することが明らかになったのでございます。また、自然の音による効果は音の種類により異なっており、例えば、鳥のさえずりはストレスといら立ちの軽減に最も効果的な一方で、水の流れる音はポジティブな感情や健康増進に最も効果的であったのです。

 次に、68園の国立公園の計221カ所で音を録音し、その分析を行いました。その結果、自然の音にあふれた場所がある一方で、来園者が多く、人々から発せられる雑音の方が大きな場所もあるなど、場所によって自然の音の量に違いがあることが分かりました。また、自然の音に加えて人々から発せられる雑音が聞こえた場合でも、そうした雑音のみが聞こえた場合と比べれば、ある程度の健康効果は得られることも明らかになったのです。

 自然の音は、穏やかな気持ちのような、いわゆる“ポジティブ感情”に良い影響を与え、ストレスの軽減に有益みたいですね。それだけでなく、痛みの緩和や気分の向上、認知機能の向上といった、さまざまな効果が得られることを確認されてます。どこへ行っても雑音がつきまとう都市部では、特にこの研究結果の意義は大きいですね。雑音から逃れることはできなくても、自然の音にあふれた公園に行くだけで、ある程度の健康効果は得られる可能性があるのです。

 自然はなぜ人間にこのような影響を及ぼすのか?それは、古代から人間には危険や安全を知らせるシグナルを感知する能力が備わっているからだと考えらrています。自然の音にあふれた環境は、安全性を示す優れたサインとなり、安全な環境では精神的な回復が促される一方、全く音のない環境や自然の音に乏しい環境は、何か問題があることを示すサインとして捉えられ、警戒心が呼び起こされると推察されます。

 裏庭や公園など身近な場所に定期的に行くだけでも効果があります。また、実際に自然の中に身を置いたときほどの効果は期待できないが、自然の音や景色を楽しむDVDやyou tubeの視聴でも、何もしないよりは良いと言えわれてます。

参考にしてください。

原著