Garg PK, et al. Eur J Prev Cardiol. 2020 Jan 13.
院長ブログ
2021.12.09 | お知らせ
健康講座406 バーンアウトと心房細動
みなさんどうもこんにちは。
小川糖尿病内科クリニックでございます。
みなさんどうもこんにちは。やらることは山ほどあるのに時間が全然足りず、疲労困憊という人は、バーンアウト(燃え尽き症候群)に注意した方が良いかもしれないです。バーンアウトの状態にある人は心房細動のリスクが高いとする大規模研究の結果が報告されました。一般的にバーンアウトと呼ばれる活力の消耗は、炎症レベルの上昇や体の生理的なストレス反応の増強に関連しているのでございます。そのような状態が慢性的に続くと、心臓の組織に深刻な影響を及ぼし、最終的に不整脈の発症につながる可能性があるようです。
心房細動は最もよく見られる不整脈であり、心房細動があると血栓が形成されやすくなるため、心筋梗塞や脳卒中の発症リスクが高まります。心房細動のリスク因子としては、精神的な苦痛との関連も示唆されていますが、過去の研究では結論の一致はしてないようです。
研究開始時の1990~1992年に心房細動がなかった1万1,445人の男女を対象に、バーンアウト、怒り、抗うつ薬の使用、社会的サポートについて調査し、中央値で23.4年にわたって追跡し、心房細動の発症について調べました。バーンアウトは通常、職場や家庭で持続的な強いストレスにさらされることが原因で起こるもので、気分の落ち込みや罪悪感、自尊心の低下などを特徴とするうつ病とは異なるということでございます。
その結果、因果関係が証明されたわけではないですが、バーンアウトのレベルが最も高い群では、バーンアウトの症状がほとんどないか、まったくない群と比べ、追跡期間中に心房細動を発症するリスクが20%高いことが示されたのでございます。一方、怒りの感情や抗うつ薬の使用、社会的サポートの不足といったバーンアウト以外の心理的な問題と心房細動との間に関連は認められなかったようです。
心の状態と心臓の状態は強く関連している。精神的なストレス下にあるとき、心房細動で反応することもあるということでございます。
原著