院長ブログ
2023.05.27 | お知らせ
健康講座666 ”デジタル食物の世界: 想像力が食欲と満足感に与える影響”
こんにちは、皆さん。小川糖尿病内科クリニックから新たな研究の情報をお届けします。この研究は、私たちが日々目にするデジタル食物のコンテンツがどのように私たちの食欲と食事行動に影響を与えるかについてのものです。
まず、皆さんは「プライミング効果」について聞いたことがありますか?これは、食物の画像や映像を見ることが、私たちの食欲を刺激し、食事量を増やすという現象です。つまり、美味しそうな料理の写真を見ると、それを食べたくなる、ということですね。
しかし、最近の研究では、反対の現象も見つけられています。それは、「想像上の食事」です。これは、頭の中で何度も何度も食事を想像することで、実際には何も食べていないのに満腹感を得ることができるというものです。これは、食べ過ぎを防ぐための新たな手段として注目されています。
しかし、問題は、現代のデジタル世界では食物の種類が無限に存在し、それぞれが異なる色や風味を持っていることです。これは、想像上の食事による満腹感を得る試みを難しくしています。
そこで、この研究では、食物の色や風味のバラエティが想像上の食事にどのような影響を与えるかを調査しました。結果は興味深いもので、想像上の食事を3回繰り返すと食欲が刺激され、30回繰り返すと満腹感が得られることがわかりました。また、食欲の刺激は特定の味に対して特異的である一方、満腹感はより一般的に感じられることがわかりました。
しかし、食物の色や風味のバラエティがこれらの反応に大きな影響を与えることは確認できませんでした。これは、想像上の食事による満腹感を得るためには、さらに多様な食物を想像する必要があるかもしれないということを示唆しています。
この研究から得られる教訓は、私たちが食物についてどのように考え、それをどのように想像するかが、私たちの食欲と食事行動に大きな影響を与えるということです。そして、それは食べ過ぎを防ぐための新たな手段となる可能性があります。しかし、そのためには、さまざまな食物を想像することが重要であることを忘れないでください。
これが、皆さんの健康的な食生活に少しでも役立つことを願っています。それでは、また次回の更新でお会いしましょう。小川糖尿病内科クリニックからの情報でした。