院長ブログ

健康講座694  理想の体型と健康的なライフスタイル:ダイエットと食物繊維の重要性

みなさんどうもこんにちは。小川糖尿病内科クリニックでございます。

 理想の体型という概念は、時代と文化によって大きく変動します。現代日本では、細身の体型が美の象徴とされ、多くの人々がダイエットに励んでいます。しかし、このような極端な痩せ型を追求することは、健康に対するリスクを伴うことがあります。それでは、健康的な体型とは何でしょうか?

肥満外来の目標は、体脂肪率を女性は30%以下、男性は25%以下に保つことです。これは、適度な体脂肪が健康を維持するために必要であるという科学的な根拠に基づいています。体脂肪率は、体重のうち脂肪が占める割合を示し、適切な範囲内に保つことで、様々な生活習慣病を予防することができます。

一方、BMI(体格指数)22を目指すという考え方は、無理なダイエットを続けることにつながる可能性があります。BMIは体重(kg)を身長(m)の二乗で割った値で、一般的には18.5~24.9が健康的な範囲とされています。しかし、この範囲内でも、個々の体質や生活習慣によって適切な数値は異なります。無理なダイエットは、栄養不足や身体的・精神的ストレスを引き起こし、健康を損なう可能性があります。

したがって、楽しく食べて健康に生活することが重要です。モデルのような華奢な体型を目指す必要はありません。体型も自分の個性の一部であり、やせにくい体質の人もいます。健康的な体型を維持するためには、適度な運動とバランスの良い食事が必要です。

外来での目標は、体脂肪率を適切な範囲に保つこと、脂肪肝や脂肪肝炎がないこと、耐糖能異常がないことです。これらの条件をクリアしていれば、それ以上の体型の追求は必要ありません。健康的な体型とは、見た目だけでなく、内側からの健康をも意味します。

さて、健康的な体型を維持するための一つの方法として、食物繊維の摂取があります。特に肥満や脂肪肝の方は、食物繊維が不足していることが多いです。食物繊維は、腸内環境を整えるだけでなく、血糖値の上昇を抑える効果もあります。

日本人の食物繊維摂取量の平均は14g/日ですが、脂肪肝患者の平均はさらに低く、10g/日とされています。これに対して、目標値は20-24g/日です。つまり、現在の食事から10gの食物繊維を増やすことが望ましいということです。

食物繊維を増やすための具体的な方法として、「食物繊維神スリー」をご紹介します。これは、納豆50g(3.5gの食物繊維)、オートミール40g(3.7gの食物繊維)、キウイ1個(3gの食物繊維)を摂取することで、合計で10gの食物繊維を摂取することができるというものです。

納豆は日本の伝統的な食品で、高い栄養価と共に食物繊維も豊富です。また、オートミールは朝食として人気で、食物繊維だけでなく、ビタミンやミネラルも含まれています。キウイはビタミンCが豊富で、食物繊維も多い果物です。

これらの食品を日常的に摂取することで、食物繊維の摂取量を増やし、健康的な体型を維持することが可能です。食事は楽しみながら、健康を維持するための重要な手段です。無理なダイエットではなく、バランスの良い食事と適度な運動を心がけて、自分らしい体型を保ちましょう。

参考文献:

  1. “Body fat percentage norms.” American Council on Exercise. Accessed June 9, 2023.
  2. “Body Mass Index (BMI).” Centers for Disease Control and Prevention. Accessed June 9, 2023.
  3. “Dietary Reference Intakes for Japanese (2020).” Ministry of Health, Labour and Welfare. Accessed June 9, 2023.
  4. “Dietary fiber: Essential for a healthy diet.” Mayo Clinic. Accessed June 9, 2023.
  5. “Nonalcoholic fatty liver disease.” Mayo Clinic. Accessed June 9, 2023.
  6. “The role of dietary fiber in the management of nonalcoholic Fatty liver disease.” Nutrients. Accessed June 9, 2023.
  7. “The role of dietary fiber in energy intake regulation and obesity.” The FASEB Journal. Accessed June 9, 2023.

健康的なライフスタイルを維持するために、適切な食事と運動を心がけることが重要です。また、個々の健康状態によって適切なアドバイスは異なるため、具体的な健康管理の方法については医療専門家に相談することをお勧めします。