院長ブログ
2023.06.07 | お知らせ
健康講座689 ”血糖管理の鍵は時計の針か?:ウォーキングの最適な時間帯とその効果”
小川糖尿病内科クリニックでございます。
糖尿病の管理には、食事と運動が大切であることはよく知られています。しかし、新たな研究結果によれば、運動の時間帯も血糖値のコントロールに重要な役割を果たしていることが明らかになりました。特に、午後にウォーキングなどの運動を行うと血糖値が大幅に改善するとのことです。
米国のブリガム・アンド・ウィメンズ病院やジョスリン糖尿病センターなどの研究チームによるこの研究は、「Diabetes Care」に掲載されました。研究チームは、活動量計を装着した肥満や過体重のある2型糖尿病患者2,416人を対象に、運動をする時間帯によって血糖値にどのような影響があるかを調査しました。
その結果、午後に運動をしたグループでは、運動しなかったグループに比べて、血糖管理の指標となるHbA1cが0.22%低下し、運動をした時間帯によってHbA1cの低下率が30~50%も大きかったことがわかりました。
さらに、運動習慣などの生活スタイルを改善し、体重減少に成功したグループでは、血糖降下薬などの糖尿病治療薬の服用を中止した割合が、午後に運動をしていた人では2倍以上高かったとのことです。
これらの研究結果から、午後に運動を行うことは、糖尿病の管理における効果的な方法の一つと考えられます。ただし、個々の生活スタイルや体調により、最適な運動の時間帯は異なるかもしれません。適切な運動と食事のバランスを見つけることが、糖尿病の管理を成功させる鍵となるでしょう。
また、適切な食事と運動だけでなく、生活リズム全体を考慮することも重要です。特に、夜遅くに食事を取ったり、遅くまで起きていると、血糖値の管理が難しくなる可能性があります。夜間に活動的であることは、糖尿病のリスクを高める可能性があります。
したがって、運動を行う最適な時間帯を見つけるだけでなく、健全な睡眠パターンを維持し、バランスの取れた食事を摂ることも、血糖値の管理にとって重要であると言えます。
あなた自身の健康状態については、医療専門家と相談し、適切なアドバイスを受けることをお勧めします。彼らはあなたの具体的な状況に基づいて、最善のアプローチを提案することができます。