院長ブログ

健康講座771 ”食事で改善する腸内フローラ:糖尿病・肥満リスク低減のための栄養指導”

 



管理栄養士:小川先生、最近の研究で植物性食品が腸内細菌に良い影響を与えると聞きましたが、具体的にはどのような影響ですか?

小川先生:はい、実際にいくつかの研究が示しています。例えばライプツィヒ大学の研究では、食物繊維が腸内細菌の健康を改善し、それが脳機能にも影響を及ぼす可能性があります。特に肥満のある成人において、食物繊維を摂取することで、脳の報酬系統が変化し、高カロリー食品への欲求が減少することが見られました。

管理栄養士:それはどのような食物繊維が影響を与えるんですか?

小川先生:イヌリンが良い例ですね。これはゴボウや玉ねぎに多く含まれる食物繊維で、特定の善玉菌の増加を促し、腸内環境を整える効果があります。研究では、1日に30グラムのイヌリンを14日間摂取したところ、腸内細菌の組成が改善され、高カロリー食品への欲求が減少しました。

管理栄養士:へえ、それは興味深いですね。他にどのような食品が腸内細菌に良い影響を与えるんですか?

小川先生:ブロッコリーと緑茶も非常に良いですよ。ブロッコリーに含まれるスルフォラファンは、善玉菌を活性化し、緑茶のカテキンは腸の健康を改善し、血糖値を下げる効果が期待できます。

管理栄養士:糖尿病患者にも良さそうですね。でも、ビールの原料であるホップにも効果があるとは驚きです。

小川先生:はい、オレゴン州立大学の研究では、ホップに含まれる化合物が肥満やメタボリックシンドローム、脂肪肝のリスクを減少させることが示されました。ただし、ホップには利点がありますが、ビールの過剰摂取は健康に良くないので注意が必要です。