院長ブログ
2023.07.11 | お知らせ
健康講座717 ”あなたの食事に秘密がある: 超加工食品のリスクとその管理方法”
みなさん、こんにちは。小川糖尿病内科クリニックから、今日は超加工食品についてお話しします。食生活と健康の関係性について語る際、超加工食品は避けて通れないトピックです。これらの食品は多くの食事シーンで我々の前に現れ、一部は私たちの日常生活に不可欠となっています。
超加工食品とは何か、それが我々の健康にどのような影響を及ぼすのか、そしてこれらの食品の摂取をどのようにコントロールすべきかについて、科学的根拠に基づいて解説します。
超加工食品とは、工場で製造され、多くの添加物が含まれている食品のことを指します。それらは、スナック菓子、菓子パン、カップ麺、ファーストフードのアイテム(ピザ、ホットドッグ、ハンバーガー)、甘いデザート(ケーキ、クッキー、パイ)、加工された乳製品(ミルクシェイク、カスタード)、焼き菓子(ドーナツ、マフィン)、加工肉製品(ミートボール、チキンナゲット)、そして高カロリーの清涼飲料などを含みます。
これらの食品は、長期保存可能で、手軽に食べられ、美味しいと感じられるように設計されています。しかし、それらはしばしば高カロリーであり、糖分や飽和脂肪酸、ナトリウムなどの過剰摂取につながり、同時に栄養価が低い傾向にあります。
“Ultra-processed foods and health outcomes: a narrative review”(Nutrients, 2020)というレビュー研究では、超加工食品の摂取が肥満、心血管疾患、高血圧、2型糖尿病などの生活習慣病と強く関連していることが報告されています。
また、”Association between consumption of ultra-processed foods and all cause mortality: SUN prospective cohort study”(BMJ, 2019)という研究では、超加工食品の摂取が全死因死亡率と関連していることが示されました。
これらの研究結果から、超加工食品の摂取を減らすことが、健康維持・改善に重要であるといえます。それでは、具体的にどのように摂取を減らすことができるのでしょうか。
まず、全く摂取しないというのは現実的ではないかもしれません。日常生活において、これらの食品が提供する便利さや満足感を全て排除することは困難です。しかし、「減らす」ことは可能です。
一つの方法は、食事の計画を立て、自宅での調理に重きを置くことです。自宅で調理すれば、食品の成分を把握し、適量を確保することが可能になります。また、市場で販売されている多くの超加工食品と比べて、自宅で調理した食事は、多くの場合、より栄養価が高く、カロリーは低い傾向にあります。
加えて、食事の時間を確保することも重要です。時間に追われてしまうと、手軽に食べられる超加工食品への依存度が高まります。計画的な食事時間の確保は、自然と健康的な食事の選択につながることでしょう。
最後に、食事の選択肢を広げることも大切です。新鮮な果物、野菜、全粒穀物、低脂肪の乳製品、高品質のタンパク源(魚、鶏肉、豆類など)を摂取することで、栄養素をバランス良く摂取し、同時に飽和感を得ることができます。
超加工食品の摂取を減らすことは、生活習慣の改善だけでなく、全体的な健康と生活の質の向上に貢献します。小川糖尿病クリニックとして、科学的な根拠に基づき、皆さんが健康的な選択をすることをサポートすることが私たちの使命です。