院長ブログ
2021.08.25 | お知らせ
健康講座247 週一回投与の基礎インスリン
みなさんどうもこんにちは。
小川糖尿病内科クリニックでございます。
2型糖尿病患者の治療において、週1回投与のインスリンが水面下で開発されているようでございます。そちらのインスリン製剤の試験の進捗状況をそっとつぶやきます。
insulin icodecの週1回投与は、インスリン グラルギンU100の1日1回投与と同程度の血糖降下作用を発揮し、安全性は同等で低血糖の頻度も低いことが、「NN1436-4383試験」で示されたのです。基礎インスリン注射の回数を減らすことで、2型糖尿病患者の治療の受容が改善される可能性があると思われます。insulin icodecは、糖尿病治療のために開発が進められている週1回投与の基礎インスリンアナログ製剤で、最高濃度到達時間は16時間、半減期は約1週間とされるようです。
insulin icodecは、現在開発中の半減期196時間の作用が長時間持続するbasalインスリンアナログであります。投与後、insulin icodecは強力かつ可逆的にアルブミンと結合し、その結果、持続的でゆっくりと着実な血糖降下作用が1週間にわたってもたらされるのです。濃度の高い製剤であるため、週1回投与のinsulin icodecの注射液量は1日分のインスリン グラルギンU100と同等です。
実際の臨床現場に姿を現すのはまだまだ先でしょうが、気になる製剤ですね。