院長ブログ
2021.08.21 | お知らせ
健康講座230 1杯のコーヒーで2型糖尿病リスクが約5%低下!?
2件の大規模な集団ベースのコホートから得られたデータによると、1日1杯のコーヒー摂取で、個人における2型糖尿病発症リスクが4~6%低下したとのことでございます。
バーチャル開催された米国心臓協会(AHA)Epidemiology and Prevention/Lifestyle & Cardiometabolic Health 会議において発表された本研究において、UKバイオバンク(14万5,368人)およびロッテルダム研究(7,172人)に組み入れられた男女に関する情報を再検討されました。
コーヒー摂取量はインタビューを基に評価し、糖尿病の発症は空腹時血糖値測定、一般診療記録、2型糖尿病薬処方に関する薬局記録により判定しました。
社会人口学的因子、健康因子、生活習慣因子で調整し、コーヒーと2型糖尿病の関連を決定しました。
全体として、コーヒー摂取量の1日1杯の増加は、2型糖尿病リスクの4~6%低下と関連した。この効果は、インスタントコーヒーを主に摂取すると回答した群と比較し、ひいた豆によるドリップコーヒーを摂取する群において最も強いようでございます。
また、コーヒーの摂取量を1日1杯増やすと、縦断的に評価したインスリン抵抗性のホメオスタシスモデルアセスメント(HOMA-IR)値の低下と関連し、さらにC反応性蛋白(CRP)値の低下およびアディポネクチン値の上昇とも関連したようです。
本研究の結果は、可能性のあるすべての交絡変数で調整できていないことによる限界があり、解釈には注意が必要であります。しかしながら、本結果は大規模なサンプルサイズによって補強されており、コーヒーが2型糖尿病リスクを低下させる有益な効果は、全身性炎症の改善によって部分的に媒介されていることを示唆しております。
本研究から得られる重要なメッセージは、適量のドリップコーヒーを摂取することにより、2型糖尿病の発症リスクが低下する可能性があることでございます。しかしながら、1日当たりのコーヒーの総量や、クリーム、砂糖、その他の添加物などの追加によっては必ずしも良い結果とは限らないのでご注意願います。
参考になっさて下さい。
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