院長ブログ

健康講座227 免疫のない方のワクチンによるコロナ抗体は!?

みなさんどうもこんにちは。

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 臓器移植を受けた患者さんは、新型コロナワクチンを2回接種しても免疫応答が弱いことが報告されております。そして、移植患者はワクチン2回接種後であっても感染後の重症化リスクが高いことも報告されているのでございます。これらを受け、フランスでは、免疫抑制状態の患者に3回目の接種を行うことを推奨しているようです。今回、3回接種した臓器移植患者の抗体価の報告がありました。

 臓器移植を受けた101例が、mRNAワクチン(ファイザー製)を3回接種したようです。移植臓器の内訳は、腎臓、肝臓、肺、心臓、膵臓だったようです。最初の2回の接種は1ヵ月間隔、3回目の接種は2回目から61±1日後に行われたようです。

 主な結果は以下のとおり。

・抗SARS-CoV-2抗体血清有病率は、初回接種前0%、2回目接種前4%、3回目接種前40%、3回目接種から4週間後68%だった。
・3回目接種前に血清陰性だった44%が3回目接種から4週間後に陽性となったようです。
・3回目接種前に血清陽性だった4全員が4週間後にも血清陽性であり、抗体価は3回目接種前2から、3回目接種1ヵ月後には上昇したようです。

 抗体反応を示さなかった患者は年齢が高く、免疫抑制度が高く、腎機能が低かった模様です。3回接種後にCOVID-19を発症した例はなく、3回目接種後に重篤な有害事象は報告されず、急性拒絶反応も発生しなかったようです。

 臓器移植患者にワクチンの3回接種を行うことで、ワクチンの免疫原性が大幅に改善されかもしれません。

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