院長ブログ
2021.08.18 | お知らせ
健康講座220 良性発作性頭位めまい症
みなさんどうもこんにちは。
小川糖尿病内科クリニックでございます。
めまいで受診される患者さんがしばしばお見えになります。めまいの原因は非常に多岐にわたるため、診断が極めて困難なのが現状でございます。そのなかでも代表的な、良性発作性頭位めまい症の特徴を自身の自省録としてめもさせて頂きます。
簡単な振り分けとして、血の気が引くような症状であれば前失神、寝返りを打つだけで目の前がグラッと揺れるような症状であれば良性発作性頭位めまい症に代表される回転性めまい、まっすぐ歩けず傾いてしまうのであれば小脳梗塞など中枢性病変が考えられるでしょう。
良性発作性頭位めまい症の最大の特徴は持続時間です。安静の状態で1分以内におさまるめまい、それが良性発作性頭位めまい症の最大の特徴です。1回1回のめまいの持続時間を確認するのです。
良性発作性頭位めまい症は、安静にするとすぐに治まる、しかし動くと潜時を伴って、また、めまいが生じるという経過を辿ります。症状が治まり大丈夫かと思い動いたにも関わらず、再度症状を認めるため、患者さんは症状が続いていると訴えるのです。そのため、1回1回のめまいの持続時間に注目しましょう。1回1回のめまいは横になるなど一定の姿勢をとると1分以内に治まるか? そして、動くとまた始まるか?などを確認できればと思います。
耳石がぐわんぐわんと動いているのが原因ですから、その動きが横になるなど一定の姿勢をとり、止まることで症状も治まります。前庭神経炎や脳梗塞によるめまいは、症状の増悪はあってもゼロになることはありません。最も楽な姿勢をとってもめまいが持続していれば、その時点で良性発作性頭位めまい症ではないのです。
誘発因子では、寝返りで症状が引き起こされる場合には良性発作性頭位めまい症、起き上がると症状を認めるのが起立性低血圧です。
姿勢によらずめまいが持続している場合には、急性前庭症候群(Acute vestivular syndrome:AVS)を考え、前庭神経炎や脳梗塞を考えます。それ以外にも考えることがありますが、まずはこの大枠を頭に入れておくことをお勧めします。
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