院長ブログ
2021.09.26 | お知らせ
健康講座325 塩の恐怖
みなさんどうもこんにちは。
小川糖尿病内科クリニックでございます。
塩分の取り過ぎが体に良くないことは皆さまもご存知かと思います。ところで、その理由はなんででしょうか?
米疾病対策センター(CDC)によると、米国人の約9割がナトリウムを取り過ぎているということでございます。そのナトリウムの大半は塩化ナトリウム、つまり塩でございます。塩分が体に与える6つの影響と、その対策を考えていきましょう。今回は、米国のデータが基準であることはご了承願います。
①.心臓への影響
心臓はポンプであり、血管はパイプです。パイプを通る血液の量が増えたり、パイプが細くなれば、血圧は上がります。塩分の取り過ぎはそれら双方を引き起こすのです。②.悪影響は即現れ、かつ時間経過してからも現れる
塩分を過剰に摂取するとその30分以内に血管の拡張性が低下するらしいです。さらに、高血圧の状態が慢性的になると、心臓発作や脳卒中などのかたちで悪影響が現れてきます。逆に、塩分摂取を控えることのメリットも、すぐに現れるとのことです。塩分摂取量を大きく減らした場合、血圧は数時間から数日以内に下がるとのことです。③.全身に影響が及ぶ
塩分過剰摂取は心臓だけでなく腎臓にも負担をかけます。腎臓の働きの一つは塩分を排泄することです。しかし高血圧の状態では、腎臓のその働きが低下し、塩分が体内に蓄積しやすくなります。その結果、足がむくんだり、胸に水が溜まって心臓や肺の働きを低下させたりするのです。さらに、高血圧による血管障害のために脳卒中のリスクが高まるほか、塩分バランスと血圧の調節機能が正常に働かなくなる可能性もあります。④.塩分過剰摂取による新たな悪影響も分かってきた
最近の研究では、過剰な塩分が免疫システムに影響を及ぼし、心臓病のほか多くの健康障害にかかわる慢性炎症を引き起こすことが分かってきたのでございます。過剰な塩分が腸内細菌にも影響を与えるとの報告も見られます。最新の研究から、過剰な塩分によって引き起こされる炎症や高血圧に、腸内細菌が関与しているというエビデンスが示されているらしいです。⑤.塩分摂取の影響は人によって異なる
ただ、塩分が体に与える影響の根本的なメカニズムは、完全に理解されているわけではないのです。例えば、塩分を摂取しても血圧が上がらない人もいます。その反対に‘過剰’とは言えない程度なのに血圧が上昇してしまう「食塩感受性」の高い人もいるのです。大切なことは、大半の人にとって塩分摂取を控えることは健康に良いことが多いことです。⑥.改めて減塩を考える
塩とナトリウムは厳密には異なるものです。食品に含まれるナトリウムのほとんどは塩であり、ほぼ同じ意味で用いても本質的には問題ないです。ファストフードのハンバーガーには、1,000mg以上のナトリウムが含まれていることがあり、フライドポテトを追加で注文すると400mgプラスされる可能性があります。チキンヌードルスープでは2,200mg以上に上ることもあるのです。
米国のガイドラインでは、成人のナトリウム摂取量を1日2,300mg以下にすることを推奨している。さらに米国心臓協会(AHA)は、1日1,500mg以下を理想としています。一方、米国人の平均的なナトリウム摂取量は、1日3,400mgらいしいです。食品のパッケージには『低ナトリウム』と書かれていても、そうではないことも往往にしてありえます。だからこそ、栄養表示ラベルを確認することはとても重要でございます。
米国のガイドラインでは、成人のナトリウム摂取量を1日2,300mg以下にすることを推奨している。さらに米国心臓協会(AHA)は、1日1,500mg以下を理想としています。一方、米国人の平均的なナトリウム摂取量は、1日3,400mgらいしいです。食品のパッケージには『低ナトリウム』と書かれていても、そうではないことも往往にしてありえます。だからこそ、栄養表示ラベルを確認することはとても重要でございます。
過去85件の研究のメタ解析では、ナトリウム摂取の抑制が血圧低下につながることが確認されております。肥満でない健康な若い人も含め、全ての人が塩分の過剰摂取に注意すべきでしょう。