院長ブログ

健康講座651 2型糖尿病の人々が体重を減らすための新しい薬、セマグルチドの26週間の試験結果

みなさんどうもこんにちは。小川糖尿病内科クリニックでございます。とある研究を紹介します。

 この研究は、2型糖尿病の人々が体重を減らすための新しい薬、セマグルチドについてのものです。2型糖尿病の人々は、体重を減らすことがとても大切なのですが、この新しい薬が体全体にどのような影響を与えるかはまだよくわかっていませんでした。そこで、この研究では、セマグルチドが2型糖尿病の人々の体にどのような影響を与えるかを調べました。

40人の2型糖尿病の人々が、この新しい薬を皮下注射で受け取りました。そして、薬を始めてから3ヶ月後と6ヶ月後に、その人々の体の状態を調べました。体の状態を調べるためには、特別な機械を使って体の組成を測定し、超音波を使ってお腹の中の脂肪の厚さを測定しました。さらに、体の大きさや筋力、血液検査の結果も比較しました。

その結果、この新しい薬を使うことで、お腹の中の脂肪、体全体の脂肪の量、体重が全て減少しました。また、筋肉の量、体の脂肪以外の部分の重さ、ウエストの大きさ、血糖値は3ヶ月後に減少し、その後も安定していました。しかし、筋力や体の水分量には変化はありませんでした。

つまり、この新しい薬、セマグルチドは、脂肪の量を減らすことで体重を減らす効果がありました。筋肉の量や体の脂肪以外の部分の重さ、筋力には大きな変化はありませんでした。そして、この効果は薬を始めてから3ヶ月後に現れ、その後も続いていました。これは、2型糖尿病の人々が健康を維持するための新しい手段として、とても有望な結果だと言えます。

著者:Sara Volpe 1, Giuseppe Lisco 1, Davide Racaniello 1, Margherita Fanelli 1, Valentina Colaianni 1, Alfredo Vozza 1, Vincenzo Triggiani 1, Carlo Sabbà 1, Cosimo Tortorella 1, Giovanni De Pergola 2, Giuseppina Piazzolla 1