院長ブログ

健康講座294 コロナ・ミューが現れた!? 我々のやるべきことはいつも同じ!

みなさんどうもこんにちは。

小川糖尿病内科でございます。

 WHOが8月30日、感染性や重篤度・ワクチン効果などに影響を与える可能性が示唆される「注目すべき変異株(VOI)」に位置付けたことを発表した「ミュー株」について、厚生労働省は9月1日、これまでの検疫結果を改めて集計したところ、今年6月および7月に空港検疫で新型コロナウイルスの検査で陽性が確認された2例がミュー株と確認されたことを発表したようでございます。

 WHOが8月31日に公表した週報によると、コロンビアで今年1月に初めて報告されたB.1.621系統の変異株が、8月30日にVOIと位置付けられ、ミュー株と命名されました。
 次から次へと、なかなかに困ったものです。

 先月まではデルタ株の登場で、デルタ株感染者が体内で保持するウイルス量は、従来株感染者たちと比べ1,260倍も多いと報告されています
 
 米国疾病予防管理センター(CDC)は、「デルタ株の基本再生産数は5~9.5人で、従来株の1.5~3.5人より大幅に感染力が増し、水ぼうそうの8.5人と同等」と試算していたことを明らかにしています。要するにですよ、この数字だけみればデルタ株の感染力は従来株の3倍程度となります。

 一方、われらが日本の東京都での新型コロナ感染の伝播力(感染力)を従来株の流行時と比較してみると、現在の伝播力は従来株流行時の1.87倍。つまり、デルタ株は従来のウイルスの1.87倍、約2倍の感染力となります。

 デルタ株がでようがミューがでようが、やるべきことをしっかりやっていれば感染は減らせる示唆ではないでしょうか。感染力が増しても、感染経路は変化していないので、むしろこれまでのことをより徹底すべしということが肝要なのであります

 デルタ株は従来株では感染が起きなかったシーンでも感染が起きていることは事実でございます。たとえば職場でちょっと、喫煙所・休憩所にいてほっとしてマスクを外している時に他人と会話をするなどもそうです。
 これまでの「三密回避」「マスク着用」「手洗い励行」のような杓子定規なことから、もう少し細かい点にも注意できるとよりよいかもしれません。

 以上より、引用した下記提言を今一度読み返して頂ければ幸いです。

  • 1)マスクを鼻にフィットさせたしっかりとした着用を徹底すること。その際には、適切な方法で着用できることを第一とした上で、感染リスクの比較的高い場面では、できればフィルター性能の高い不織布マスクを着用すること。三密のいずれも避けること。特に人と人との距離には気を付けること。
  • (2)マスクをしっかりと着用していても、室内でおしゃべりする時間は可能な限り短くして、大声は避けること。
  • (3)今まで以上に換気には留意すること。
  • (4)出来る限り、テレワークを行うこと。職場においても、(1)~(3)を徹底すること。
  • (5)体調不良時には出勤・登校をせず、必要な場合には近医を受診すること。
  • (6)ワクチン接種後にも、国民の多くがワクチン接種を終えるまでは、マスクを着用すること。
  • (7)ワクチン接種後にも、国民の多くがワクチン接種を終えるまでは、大人数の飲み会は控えること。
  • (8)
    ワクチン接種後にも、国民の多くがワクチン接種を終えるまでは、帰省先での同窓会や大人数での会食は控えること。

    新型コロナウイルス感染症対策分科会