院長ブログ

健康講座661 ”質の良い睡眠を手に入れる: 中途覚醒を防ぐ10の実証済み戦略”

 みなさんどうもこんにちは。小川糖尿病内科クリニックでございます。

本日は、“質の良い睡眠を手に入れる: 中途覚醒を防ぐ10の実証済み戦略と題して記載したいと思います。

  1. 禁酒: アルコールはGABA(ガンマアミノ酪酸)という神経伝達物質の作用を強化し、一時的にリラックス感をもたらします。しかし、その後、アルコールの影響が薄れると、睡眠が浅くなり、中途覚醒を引き起こす可能性があります。また、アルコールはレム睡眠(夢を見る睡眠)を妨げ、これが睡眠のパターンを乱すことが知られています。

  2. 寝る前に食事しない: 夜遅くに食事をすると、体は消化にエネルギーを使い、これが睡眠を妨げる可能性があります。特に、脂肪分の多い食事やスパイシーな食事は消化に時間がかかり、胃酸逆流のリスクも高まります。これが中途覚醒の一因となることもあります。

  3. 寝る前に水分をとりすぎない: 夜間にトイレに起きる必要があると、自然な睡眠パターンが乱れます。そのため、寝る前には適度な水分摂取に留めることが推奨されます。特に、カフェインやアルコールなどの利尿作用のある飲み物は避けるべきです。

  4. 運動(中強度から強度の強い運動): 適度な運動はストレスを減らし、体の準備を整えて睡眠を促します。運動により体内のエンドルフィン(自然の鎮痛剤)が増加し、気分が良くなります。ただし、運動は寝る数時間前に終えることが理想的です。なぜなら、運動は一時的に体温を上げるため、すぐに寝ると睡眠を妨げる可能性があるからです。

  5. 朝散歩(体内時計のリセット): 朝の光は体内時計をリセットし、覚醒と睡眠のサイクルを正常化します。これは特に、季節性の影響や時差ぼけから体内時計を調整するのに役立ちます。朝の光はセロトニンとメラトニンの生成を調節し、これらはそれぞれ昼間の気分と夜間の睡眠を制御します。

  6. 寝る前のスマホ禁止: スマホや他の電子デバイスから放出されるブルーライトは、体のメラトニン(睡眠ホルモン)の生成を抑制します。メラトニンは体内時計を調節し、夜間に睡眠を促進します。ブルーライトがこれを妨げると、睡眠の準備が妨げられ、中途覚醒のリスクが高まる可能性があります。

  7. 中途覚醒時にスマホを見ない: これもブルーライトの影響によるものです。中途覚醒時にスマホを見ると、再び眠りにつくのが難しくなる可能性があります。また、スマホを見ることで脳が活性化し、これが睡眠を妨げる可能性もあります。

  8. 寝る前90分前入浴: 入浴は体温を一時的に上げ、その後体温が下がるときに自然な眠気を引き起こします。この体温の変化は、体の生物学的な睡眠準備の一部です。また、入浴は筋肉をリラックスさせ、ストレスを軽減する効果もあります。

  9. 睡眠環境(光、音の遮断): 光や音は睡眠を妨げる大きな要因です。暗く静かな環境はメラトニンの生成を促し、深い睡眠を助けます。また、快適な寝具や適切な室温も良質な睡眠に寄与します。

  10. 就寝、起床時間を一定に: 一定の就寝と起床時間を維持することで、体内時計が安定します。これにより、自然な睡眠パターンが形成され、中途覚醒のリスクが低減します。これは特に、シフトワークや頻繁な時差ぼけに悩む人にとって重要です。

これらの対策はすべて、睡眠の質を向上させ、中途覚醒を減らすためのものです。ただし、これらの方法が全ての人に効果的であるわけではなく、個々の生活習慣や健康状態によります。それでも中途覚醒が続く場合は、医療専門家に相談することをお勧めします。睡眠障害は、ストレス、心の問題、身体の病気など、さまざまな要因によって引き起こされることがあります。そのため、自己対策だけでなく、必要に応じて専門家の意見を求めることが重要です。