院長ブログ

健康講座658 ”一週間2回の運動で感染症に打ち勝つ: 適度な運動のサプライズ効果”

みなさんどうもこんにちは。小川糖尿病内科クリニックでございます。

 この研究は、余暇時の身体活動がインフルエンザや肺炎による死亡率にどのような影響を及ぼすかを調査するものです。米国全国から集められた577,909人の成人を対象に、適度な身体活動の週150分以上と週2回以上の筋力強化活動を報告した人々を調査しました。これらのガイドラインを両方とも満たす人々は、どちらも満たさない人々と比較して、インフルエンザや肺炎による死亡リスクが48%低いことが分かりました。つまり、適度なエクササイズがある程度、命を守る可能性があるのです。

これだけを聞くと、一日中トレーニングをしていればより良い結果が得られそうな気がしますが、実際はそうではないようです。筋力強化活動が週2回の場合、死亡リスクは47%低下しますが、週7回以上の場合、死亡リスクが41%上昇します。これは、週に7回以上の筋力強化活動を行うと、実際にはインフルエンザや肺炎のリスクが増えることを示しています。

では、なぜそうなるのでしょうか?おそらく、身体を過度に酷使すると免疫システムが弱まり、結果として感染症に対する抵抗力が低下するからだと考えられます。体を鍛えることは大切ですが、バランスが重要なのです。週に2回の筋力強化活動と週に150分の有酸素運動が、最適な組み合わせといえるでしょう。

結果として、適度な身体活動がインフルエンザや肺炎による死亡リスクを減らす可能性があることが示されました。しかし、「適度」という言葉が鍵となります。過度なトレーニングは逆効果となる可能性があります。この研究から得られる教訓は、適度な運動が健康的な生活を送る上で重要であり、そして私たちが思っている以上に、適度な運動が感染症から身を守る役割を果たしている可能性があるということです。

だからといって、すぐにジムに駆け込む必要はありません。この研究が示すのは、一週間に数回、適度な強さの運動を行うことが、私たちをインフルエンザや肺炎から守るのに役立つ可能性があるということです。それが散歩であれ、水泳であれ、ヨガであれ、あなたが楽しむことが最も重要です。それが身体活動を続ける最善の方法ですし、最終的には長期的な健康につながるのです。

また、運動だけが全てではありません。適切な睡眠、栄養バランスの取れた食事、ストレスの管理など、全体的な生活スタイルも考慮に入れるべきです。それら全てが一緒になって、私たちの免疫システムを最高の状態に保つのです。まとめると、適度な運動は健康を維持し、感染症から身を守る一つの方法ですが、全体的な健康な生活スタイルが最も重要なのです。