院長ブログ

健康講座634 妊娠糖尿病の予測

 みなさん、こんにちは。私たち小川糖尿病内科クリニックでは、糖尿病の治療や予防に専門的に取り組んでいます。

最新の研究によると、妊娠中の正常血糖値や妊娠糖尿病(GDM)におけるインスリンの働きには変化があることが示されています。この研究では、166人の妊婦さんが、妊娠期の早期、中後期、出産後に経口グルコース負荷試験を受けました。その結果、妊娠初期にはβ細胞機能が増強され、GDMの予測に重要な指標となることがわかりました。

β細胞は、膵臓にあるインスリンを分泌する細胞です。インスリンは、血糖値を下げるホルモンであり、妊娠中は母体と胎児の成長に必要な栄養素を調整するために重要な役割を果たします。この研究では、早期妊娠時にβ細胞機能が増強されることが明らかになりました。一方で、GDMの発症には、β細胞機能の欠如が関係していることがわかりました。

また、本研究では、PIP指数という新しい指標も導入されました。PIP指数は、β細胞がインスリン抵抗性に対してどの程度補償しているかを示す指標であり、GDMのリスク予測に有用であることが示されました。

これらの知見から、妊婦さんには正常な血糖値を維持することが重要であり、GDMの予防や早期発見・治療が必要であることがわかります。当クリニックでは、最新の治療法やアプローチを取り入れながら、患者さん一人ひとりに合わせた最適な治療を提供しています。糖尿病やGDMに関するお悩みやご不安がある場合は、ぜひ当クリニックにご相談ください。

Distinct Insulin Physiology Trajectories in Euglycemic Pregnancy and Gestational Diabetes Mellitus