院長ブログ
2025.12.19 | お知らせ
健康講座865 「高用量セマグルチド(最大16mg)が糖尿病と肥満に与える影響」
みなさんこんにちは。小川糖尿病内科クリニックです。
今日は、
「セマグルチドという注射薬を、今までより多い量で使ったらどうなるのか?」
について、わかりやすくご紹介します!
セマグルチドってどんな薬?
セマグルチドは、
血糖値を下げる
体重を減らす
効果がある、週1回の注射薬です。
もともとは2型糖尿病の治療薬として使われてきましたが、「ダイエット効果」も注目されています。
今回の研究で知りたかったこと
「セマグルチドを**もっと多い量(最大16mg/週)**使ったら、
血糖値や体重はどう変わるのかな?」
ということを調べました。
誰を対象にしたの?
2型糖尿病がある人
太り気味~肥満の人(BMI27以上)
もともとメトホルミン(糖尿病薬)を飲んでいる人
合計245人が参加しました!
どうやって調べたの?
参加した人たちは、次の4つのグループに分かれました。
セマグルチド 2mgを打つグループ
セマグルチド 8mgを打つグループ
セマグルチド 16mgを打つグループ
偽薬(効果のない注射)を打つグループ
注射は週に1回、
少しずつ量を増やして、最終的に40週間(約10か月)続けました。
結果はどうだった?
血糖値(HbA1c)の変化
セマグルチド16mgを使った人たちは、
2mgを使った人たちよりほんの少しだけ血糖値がよく下がりました。ただ、「全体で見ると大きな違い」とまでは言えませんでした。
でも、薬をしっかり続けられた人たちに限ると、
きちんと血糖値が下がったことがわかりました!
体重の変化
セマグルチド16mgを使った人は、2mgを使った人より
約3〜4.5kg多く体重が減りました!この結果ははっきり出ていて、
「体重を減らしたい人には高い量が効果的」と言えそうです。
副作用(困ったこと)
セマグルチドをたくさん使った人では、
吐き気や下痢、食欲が落ちるなどの副作用がよく出ました。副作用がつらくて、途中でやめてしまった人もいました。
でも、危ない低血糖(血糖が下がりすぎること)はありませんでした!
まとめ
セマグルチド16mgは、
体重をしっかり減らす効果がありました!血糖値も、薬を続けられた人ではちゃんと下がっていました。
ただし、副作用も増えるので、
体に合うかどうか慎重に見る必要がありそうです。
小川糖尿病内科クリニックから皆さんへ
「たくさん打てばいい」というわけではなく、
一人ひとりに合った治療が大切です。
お薬の使い方も、体調やライフスタイルに合わせて、
無理なく続けられる方法を一緒に考えていきましょう。
少しでも気になることがあれば、いつでもご相談くださいね。
