院長ブログ

健康講座865 「高用量セマグルチド(最大16mg)が糖尿病と肥満に与える影響」

 

 

 

みなさんこんにちは。小川糖尿病内科クリニックです。

今日は、
「セマグルチドという注射薬を、今までより多い量で使ったらどうなるのか?」
について、わかりやすくご紹介します!


セマグルチドってどんな薬?

セマグルチドは、

  • 血糖値を下げる

  • 体重を減らす

効果がある、週1回の注射薬です。
もともとは2型糖尿病の治療薬として使われてきましたが、「ダイエット効果」も注目されています。


今回の研究で知りたかったこと

「セマグルチドを**もっと多い量(最大16mg/週)**使ったら、
 血糖値や体重はどう変わるのかな?」

ということを調べました。


誰を対象にしたの?

  • 2型糖尿病がある人

  • 太り気味~肥満の人(BMI27以上)

  • もともとメトホルミン(糖尿病薬)を飲んでいる人

合計245人が参加しました!


どうやって調べたの?

参加した人たちは、次の4つのグループに分かれました。

  • セマグルチド 2mgを打つグループ

  • セマグルチド 8mgを打つグループ

  • セマグルチド 16mgを打つグループ

  • 偽薬(効果のない注射)を打つグループ

注射は週に1回
少しずつ量を増やして、最終的に40週間(約10か月)続けました。


結果はどうだった?

血糖値(HbA1c)の変化

  • セマグルチド16mgを使った人たちは、
     2mgを使った人たちよりほんの少しだけ血糖値がよく下がりました。

  • ただ、「全体で見ると大きな違い」とまでは言えませんでした。

  • でも、薬をしっかり続けられた人たちに限ると、
     きちんと血糖値が下がったことがわかりました!

体重の変化

  • セマグルチド16mgを使った人は、2mgを使った人より
     約3〜4.5kg多く体重が減りました!

  • この結果ははっきり出ていて、
     「体重を減らしたい人には高い量が効果的」と言えそうです。

副作用(困ったこと)

  • セマグルチドをたくさん使った人では、
     吐き気や下痢、食欲が落ちるなどの副作用がよく出ました。

  • 副作用がつらくて、途中でやめてしまった人もいました。

  • でも、危ない低血糖(血糖が下がりすぎること)はありませんでした!


まとめ

  • セマグルチド16mgは、
     体重をしっかり減らす効果がありました!

  • 血糖値も、薬を続けられた人ではちゃんと下がっていました

  • ただし、副作用も増えるので、
     体に合うかどうか慎重に見る必要がありそうです


小川糖尿病内科クリニックから皆さんへ

「たくさん打てばいい」というわけではなく、
一人ひとりに合った治療が大切です。

お薬の使い方も、体調やライフスタイルに合わせて、
無理なく続けられる方法を一緒に考えていきましょう。

少しでも気になることがあれば、いつでもご相談くださいね。