Bernal JL, et al. N Engl J Med. 2021 Jul 21.
院長ブログ
2021.08.17 | お知らせ
健康講座216 新型コロナワクチンのデルタ株への有効性
こんにちは、小川糖尿病CLでございます。
さて、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチンであるBNT162b2(Pfizer/BioNTech製)またはChAdOx1 nCoV-19(AstraZeneca製)の2回接種後の有効性は、アルファ株とデルタ株で大きな差は認められなかったとのことです。ただし、初回接種後の両株に対するワクチンの有効性には顕著な差がみられ、デルタ株で低かったです。英国・公衆衛生局による結果で、脆弱な集団では2回のワクチン接種を最大化するよう努力する必要があると思われます。COVID-19の原因ウイルスであるSARS-CoV-2のB.1.617.2変異株(デルタ株)はインドでの感染者急増の一因で、現在、感染者の増加が顕著なイギリスを含め世界中で検出されているのです。
研究グループは、ワクチン(BNT162b2またはChAdOx1 nCoV-19)接種によるデルタ株への影響を推定する目的で、デルタ株が流行し始めた期間における優勢株(B.1.1.7またはアルファ株)と比較したデルタ株の症候性疾患に対するワクチンの有効性を推定しました。
検討では、症候性のCOVID-19患者のワクチン接種状況と、症状を有するPCR検査陰性者のワクチン接種状況を比較。また、英国におけるすべての症候性COVID-19患者の症例データを用い、患者のワクチン接種状況に応じた変異株保有症例の割合を推定しました。
変異株は、全ゲノムシークエンス解析を用いるとともに、TaqPath PCR法によるスパイク遺伝子標的の状態(陽性の場合はデルタ株、陰性の場合はアルファ株を保有)に基づいて同定しました。
一方、2回接種後の有効性は、BNT162b2ワクチンでアルファ株93.7%、デルタ株88.0%、ChAdOx1 nCoV-19ワクチンでそれぞれ74.5%、67.0%でありました。
検討では、症候性のCOVID-19患者のワクチン接種状況と、症状を有するPCR検査陰性者のワクチン接種状況を比較。また、英国におけるすべての症候性COVID-19患者の症例データを用い、患者のワクチン接種状況に応じた変異株保有症例の割合を推定しました。
変異株は、全ゲノムシークエンス解析を用いるとともに、TaqPath PCR法によるスパイク遺伝子標的の状態(陽性の場合はデルタ株、陰性の場合はアルファ株を保有)に基づいて同定しました。
デルタ株に対するワクチンの有効性、2回接種後で67~88%
ワクチン初回接種後の有効性は、アルファ株保有者で48.7%、デルタ株保有者で30.7%であり、デルタ株保有者で低かった。この結果は、両ワクチンで同様であった。一方、2回接種後の有効性は、BNT162b2ワクチンでアルファ株93.7%、デルタ株88.0%、ChAdOx1 nCoV-19ワクチンでそれぞれ74.5%、67.0%でありました。
参考になさってください。
原著論文