院長ブログ
2023.06.01 | お知らせ
健康講座680 ”肥満治療の新しい地平線:オーラルセマグルチド50mgが描く壮大なビジョン”
みなさん、こんにちは!小川糖尿病内科クリニックからニュースをお届けします。
北欧、デンマークから驚異のニュースが届きました。Novo Nordiskが新たな治療法の試験結果を発表したのです。それは、一日一回服用することで肥満や過体重を抑える可能性を秘めた薬、オーラルセマグルチド50mgに関するもの。その有効性を示すために、彼らは68週間に及ぶ世界規模のOASISプログラムの一部として、第3aフェーズ試験、通称「OASIS 1」を実施しました。
肥満または一つ以上の合併症を持つ過体重の成人667人が、プラセボとこの新しい治療法、オーラルセマグルチド50mgとの間で比較されました。そして、結果は明白。68週間後、オーラルセマグルチド50mgがプラセボに対して、統計的に有意で優れた体重減少を示したのです。
そして、全ての参加者が治療を完全に遵守した場合、治療開始時の平均体重105.4kgから、68週間後にはなんと体重が17.4%減少したのです。プラセボ群では1.8%の減少に留まりました。さらに、オーラルセマグルチド50mgを服用した参加者の中では、驚異の89.2%が68週後に5%以上の体重減少を達成。これに対してプラセボ群では24.5%でした。
その一方で、治療法は患者さんたちにとって安全であることが最も重要です。この試験では、オーラルセマグルチド50mgは安全で、よく耐えられるという結果が得られました。最も一般的な副作用は胃腸系で、大半は軽度から中度で、時間とともに減少しました。副作用はGLP-1受容体アゴニストクラスと一致していました。特に用量を上げる段階で胃腸系の副作用が顕著になりました。
そして、Novo Nordiskは2023年に米国とEUでの規制承認を申請する予定であり、オーラルセマグルチド50mgの全世界的なリリースはポートフォリオの優先順位と製造能力に依存すると発表しています。
次回も小川糖尿病内科クリニックから最新の医療情報をお届けします。それでは、皆さんの健康と幸せを願って。