院長ブログ
2019.07.09 | お知らせ
健康講座81~メトホルミン がん予防の期待
こんにちは。
小川糖尿病内科クリニック院長小川義隆です。
2型糖尿病の治療薬として世界で最も多く処方されているメトホルミンが、がんに対する免疫反応を抑制する制御性T細胞の増殖と機能を抑えてがんの予防や治療に有用な可能性があることを、岡山大学大学院免疫学教授の鵜殿平一郎氏らの研究グループが突き止めた。
メトホルミンにより制御性T細胞の働きを抑えることで、がん細胞を攻撃する細胞傷害性T細胞の機能を妨げることなく、がんに対する免疫作用を増強する可能性があるという。詳細は「EBioMedicine」10月15日オンライン版に掲載された。
免疫細胞の一種である制御性T細胞は、体に対する過剰な免疫反応を抑える一方で、がんに対する免疫反応を抑制し、がん細胞を攻撃する細胞傷害性T細胞の機能も抑えてしまうことが知られている。そのため、がんの予防や治療には、がんの中に存在する制御性T細胞だけを抑制し、がん以外の部分にある制御性T細胞の数や機能には影響を及ぼさないことが理想とされていた。
研究グループは、新しいがん治療として注目を集めている免疫療法は進行期のがんでの奏効率が20%弱にとどまり、自己免疫疾患などの副作用の課題が残されている点を指摘しつつ、「メトホルミンは免疫細胞の代謝バランスを変化させることで、がん局所だけの制御性T細胞を抑制する可能性を示した今回の知見は、今後のがん免疫療法に新しい展開をもたらすのではないか」と期待を示している。
メトホルミンにより制御性T細胞の働きを抑えることで、がん細胞を攻撃する細胞傷害性T細胞の機能を妨げることなく、がんに対する免疫作用を増強する可能性があるという。詳細は「EBioMedicine」10月15日オンライン版に掲載された。
免疫細胞の一種である制御性T細胞は、体に対する過剰な免疫反応を抑える一方で、がんに対する免疫反応を抑制し、がん細胞を攻撃する細胞傷害性T細胞の機能も抑えてしまうことが知られている。そのため、がんの予防や治療には、がんの中に存在する制御性T細胞だけを抑制し、がん以外の部分にある制御性T細胞の数や機能には影響を及ぼさないことが理想とされていた。
研究グループは、新しいがん治療として注目を集めている免疫療法は進行期のがんでの奏効率が20%弱にとどまり、自己免疫疾患などの副作用の課題が残されている点を指摘しつつ、「メトホルミンは免疫細胞の代謝バランスを変化させることで、がん局所だけの制御性T細胞を抑制する可能性を示した今回の知見は、今後のがん免疫療法に新しい展開をもたらすのではないか」と期待を示している。