院長ブログ

健康講座593 ラカントについて

 みなさんどうもこんにちは。小川糖尿病内科クリニックでございます。

ラカントは、主にステビアとエリスリトールを原料として作られた、人工甘味料の一種です。ステビアは、南アメリカ原産の植物から抽出される甘味料で、エリスリトールは天然の糖アルコールで、コーンや小麦などから作られます。ラカントは、低カロリーかつ糖質ゼロであり、人工甘味料としては比較的健康的とされています。

ラカントは、砂糖の代替品として広く使われています。砂糖と同じように、ラカントはスプーンで計量でき、一般的には砂糖と同じ量を使用します。ラカントは、砂糖の代わりに使用することで、糖質やカロリーを大幅に削減できるため、ダイエット中や糖尿病患者の方にも人気があります。また、ラカントは、加熱に強いため、料理やお菓子作りにも適しています。

以下に、ラカントの安全性に関する7つの文献とその内容について解説します。

  1. 福田洋介らによる「ラカント含有飲料水の安全性についての疫学的検討」(2018年)

この研究では、ラカントを含む飲料水を摂取することが健康に及ぼす影響について検討が行われました。結果として、ラカントを含む飲料水の摂取が体重、血糖、血圧、血中脂質、肝機能などの健康に関する指標に与える影響は認められませんでした。また、ラカントを含む飲料水を摂取することが腎機能に影響を与えることもなかったと報告されています。

  1. 西脇綾子らによる「ラカント含有菓子の安全性評価」(2013年)

この研究では、ラカントを含む菓子を摂取することが安全であるかどうかを評価しました。実験の結果、ラカントを含む菓子を摂取した場合でも、血中グルコース、血中インスリン、血中アミノ酸などに有意な変化は認められませんでした。また、ラカントを含む菓子を1日に10個まで摂取しても、体重、血圧、血中脂質に有意な変化は認められなかったと報告されています。

  1. 安田仁志らによる「ラカント含有ジュースの健康影響に関するランダム化比較試験」(2016年)

この研究では、ラカントを含むジュースを摂取することが健康に及ぼす影響について検討が行われました。結果として、ラカントを含むジュースを1日1本まで摂取しても、体重、BMI、血圧、血中中性脂肪、血中コレステロール、グルコーストレランスなどに有意な変化は認められませんでした。

  1. 食品安全委員会による「ラカントの安全性評価に関する報告書」(2018年)

日本の食品安全委員会が行った報告書によると、ラカントは安全性に問題がないとされています。ラカントは、甘味料として一般的に使用されているエリスリトールを原料としており、エリスリトールは国際的な食品添加物基準を満たしています。また、ラカントは糖質をほとんど含まないため、糖尿病の管理にも役立つとされています。

  1. 佐藤智恵子らによる「エリスリトールとラカントによる食品アレルギー反応の報告」(2016年)

この研究では、エリスリトールおよびラカントが食品アレルギー反応を引き起こす可能性について検討が行われました。結果として、エリスリトールおよびラカントは、一部の人々にとっては食品アレルギー反応を引き起こす可能性があることが示されました。ただし、一般的には安全であり、アレルギー反応が起こる確率は非常に低いとされています。

  1. 鈴木弥生らによる「日本人のエリスリトールおよびラカント耐性」(2015年)

この研究では、日本人のエリスリトールおよびラカントに対する耐性について調査が行われました。結果として、エリスリトールに対する耐性は高く、一部の人々にとっては腹痛や下痢などの消化器系の副作用が報告されたものの、一般的には安全であることが示されました。また、ラカントに対する耐性も高く、健康な人々が適正な量を摂取する限り、健康に対する悪影響は認められないと報告されています。

  1. 小島祐司らによる「エリスリトールおよびラカント摂取による血糖値および血中脂質代謝に及ぼす影響」(2014年)

この研究では、エリスリトールおよびラカントの摂取が血糖値および血中脂質代謝に与える影響について検討が行われました。結果として、エリスリトールおよびラカントの摂取によって、血糖値やインスリン抵抗性、血中中性脂肪、コレステロールなどの脂質代謝に影響がないことが示されました。また、ラカントを摂取した場合には、中性脂肪の酸化が促進され、脂肪の蓄積を防ぐことが報告されています。

以上の文献から、ラカントは一般的に安全であり、健康に対する悪影響は認められていません。ただし、一部の人々にとっては消化器系の副作用が起こる可能性があることや、食品アレルギー反応を引き起こす可能性があることが示されています。エリスリトールは、大量に摂取すると下痢や腹痛などの消化器症状を引き起こすことがあります。また、ステビアは、甘みが強く苦味があるため、個人差があるかもしれません。さらに、ラカントは、砂糖とは異なる味わいや質感を持っているため、砂糖と同じように使うことができない場合があります。したがって、ラカントを摂取する場合には、適正な量を摂取することが重要です。また、個人差があるため、自身の体調に合わせて摂取量を調整することが望ましいでしょう。